専門医コラム
2016/04/19
目の充血 何とかしたい!② コンタクトは避けよう
前回は以下のような主な目の充血の原因をお伝えしました。
- 目を長時間酷使したことによる眼精疲労
- ドライアイ
- コンタクトレンズ外来
- アレルギー
- 異物
- 目の病気(例:結膜炎)
こうした様々な原因があります。それぞれについて、今回は説明させていただきたいと思います。
●目の疲れによる目の充血
目の充血の一般的な原因は「目の疲れ」です。なぜ目が疲れると目が赤く充血してしまうのでしょうか? スマホやテレビ、パソコンなどで目を長時間酷使すると、目の疲れを回復させるために、酸素や栄養を運ぼうとします。そのために、目の血流量が増えることによって、白目の部分の血管が膨張してしまい、目が赤く充血して見えるのです。 ”スマホ老眼” が増えていますが、こうした「目の疲れ」が原因となります。
●コンタクトレンズ、ドライアイ、アレルギーによる目の充血
ドライアイやコンタクトレンズの場合は、眼を保護する涙液が不足し、眼の表面が乾いてしまうことで、酸素や栄養分が角膜に十分に行き渡らなくなってしまうことによって、酸素を取り入れようとするために、白目の部分の血管が膨らみ、充血するのです。最近ではソフトコンタクトレンズを装用して、スマホやパソコンを行う方が増加しており、先に述べた "スマホ老眼" を始め、これまでになかった目の負担が増加しています。ソフトコンタクトはドライアイを悪化させる一番の原因であり、当然アレルギー症状も悪化させます。ソフトコンタクトとスマホのコンビネーションは『慢性酸素不足』につながり、目の、特に角膜の老化を加速させています。ドライアイやアレルギーをお持ちの方のコンタクトレンズ使用は注意が必要です。メガネでの生活をお勧めするのですが、メガネは嫌といわれる方が多いですね。メガネでの生活が難しければ、この先、5年以上ソフトコンタクトレンズ使用を考えている方は、充血がサインとなっている目の老化の進行や、コンタクトレンズによる目の障害を防ぐためにも近視手術をお勧めします。10年、20年、あるいは100歳までの目の健康を考えると、手術という選択は圧倒的にコンタクトレンズより安全です。
●異物が目を刺激することによる目の充血
ゴミが目に刺さり充血している方が意外と多いものです。痛みがあれば自分で眼科を受診されるのですが、小さな異物で痛みも少ないと放置している方もおられます。その異物から目を守るために、血管に働きかけ、血管を拡張させて血流を増やすこと(炎症反応)によって、白目の血管が拡張して、充血が起こります。
●目の病気(例:結膜炎)
結膜炎などの目の病気になると、目の充血とともに、目やにが出るなどの症状が現れます。多くの場合は、アレルギー性結膜炎をお持ちで、よく目をこすってしまい、手から雑菌を目に入れてしまうことが原因となります。再発を防ぐために、アレルギー体質にも注意をしていただくようお伝えしています。
<2週間使い捨てコンタクトとプレミアム・アイデザイン・レーシック の費用比較>
成人の目の充血 コンタクトより手術が安全
ここに紹介した以外にも、急性緑内障発作など緊急対応を要する充血もあります。
しかし、何と言っても近年増えているのは花粉症に代表されるアレルギー性結膜炎! アレルギー性結膜炎をお持ちの方は近視になっていることが多いのです。そのため、お手軽な使い捨てコンタクトレンズを着けて生活していると、酸素不足、ドライアイも悪化し充血が慢性化しています。すでにその時点で黒目の細胞は老化が進行しているのですが、痛みもないと異常に気付いていない方がほとんどです。
コンタクトを使う方は、アレルギー体質、涙を増やすためのドライアイ治療を目の安全のために行ってください。
そのためには食を変えての体質改善が近道なのですが、それは難しいと言うことでしたら、早めに近視手術を検討される方がコンタクトよりどれだけ安全性が高いか、また経済性も有利であるか、一度検討されることをお勧めします。