専門医コラム
2016/04/20
桑葉の抗酸化作用
皆さんは ”桑葉” と聞いて何を連想するでしょうか?
かつて日本で桑畑は良くある風景でした。しかし、現在、養蚕業が盛んだった地域では、生産者の高齢化、後継者難、生糸産業全般の衰退の中で、株を抜いて畑等に転用されたり、放置された桑畑も多くなっています。クワの木は成長が早く、大きく育つのですが、幹の中が空洞であり、若い枝はカイコの餌にする為に切り続けてきたので製材できる部分が少ないと言われます。そうです、桑葉はカイコのエサとして重要でした。参考までに蚕が食べるのはヤマグワと呼ばれる種類です。
この桑葉、実はカイコさんに食べさせるだけではもったいない! 人間の様々な病気に有用なのです!
桑葉の特殊成分で万病対策!!
桑葉固有の成分が万病対策に画期的な役割をはたし、我々の健康の強力なサポーターとなってくれます。
- 滋養強壮…ビタミン・ミネラル豊富で血行をよくする/利尿作用/貧血
- 抗酸化作用(活性酸素退治)で長寿…脱生活習慣病=アンチエイジング
- 糖尿病・高血圧をはじめとする成人病に効果(血圧・血液・血管に良い効果をもたらす)…血糖値をさげる/インスリン分泌調整/血圧をさげる/高コレステロール血症の予防/動脈硬化抑制
- 体脂肪抑制でダイエット効果…食物繊維豊富
- 腸に作用…便秘解消と腸内細菌改善
- 発がん抑制作用
ログワの根皮は桑白皮(そうはくひ)という生薬です。利尿、血圧降下、血糖降下作用、解熱、鎮咳などの作用があり、五虎湯(ごことう)、清肺湯(せいはいとう)などの漢方方剤に使われています。
桑葉には1-デオキシノジリマイシン(1-deoxynojirimycin; DNJ)が含まれていることが近年の研究で明らかになりました。DNJ はブドウ糖の類似物質(アザ糖類の一種)で、小腸で糖分解酵素のα-グルコシダーゼに結合する事でその活性を阻害します。その結果、スクロースやマルトースの分解効率が低下し、血糖値の上昇が抑制されるのです。(糖尿病への桑葉効果 → 血糖や血圧が気になる方へ)
抗酸化作用のある成分
桑葉の成分が身体のサビ落とし効果となる『抗酸化作用』を持っています。
ベータカロチン、ビタミンC、ビタミンE、ポリフェノールなどが、抗酸化作用があると言われていますが、一般的な食品としては、緑黄色野菜、赤ワイン、緑茶(カテキン)、ブルーベリー、コエンザイムを含むイワシやサバ、アスタキサンチンを含むサケやたらこ、などに多く含まれているようです。
ところが、これらの抗酸化作用効率を上回るのが桑葉と言われているのです。
酸化対応は加齢対応ともなり、当然多くの眼や全身疾患にも有効ですので、緑内障や加齢黄斑変性症、白内障はもちろん、子供さんの近視治療にも有効と考えられます。( → 目の病気へのアンチエイジング・アプローチ!)
次回は、桑葉の素晴らしい効果について更に詳しくご紹介したいと思います。