専門医コラム
2016/06/17
加齢黄斑変性の原因
加齢黄斑変性は、年をとれば誰にでも起こる可能性のある眼の病気です。
加齢黄斑変性の発症のリスクを高める危険因子
医学的には日光を浴びること、喫煙、加齢、肥満、高脂肪食などが加齢黄斑変性の発症のリスクを高める危険因子として一般にあげられてます。
特に有名なのは喫煙で、喫煙による酸化ストレスが眼に蓄積すると、加齢黄斑変性の背景にある炎症を引き起こすといわれています。加齢黄斑変性の発症予防や、発症してしまった方が進行を遅らせるためには、禁煙が非常に重要になります。
これらの原因を一言でまとめると、「身体を酸化させるもの」が発症原因となっていると考えられます。
新生血管
加齢黄斑変性には「萎縮型」、「滲出型」の2種類がありそれぞれ原因が違います。特に視力低下が問題となる「滲出型」では、網膜のすぐ下に「身体を酸化させるもの」が原因で新しい血管(新生血管)ができて、この血管が黄斑にダメージを与えます。
新生血管は正常の網膜にはない血管で非常にもろく、成分が漏れ出て溜まる、あるいは出血を起こしやすいという特徴があります。この血管から出た液体が黄斑の組織にダメージを与えて、視覚障害を引き起こすのです。
また最近の研究では、インターロイキン10などの身体を守るはずの免疫系の異常が黄斑変性では起こっていることが確認されています (目に起こる血管の異常、悪役を確認)。
加齢黄斑変性も他の病気と同様、酸化により身体の免疫力に問題を起こすことが病気の引き金になることは間違いなさそうです。