専門医コラム

2016/07/26

まぶたの重さを生じる疾患 ②

前回に続いて、まぶたの重さを生じる疾患についてお伝えいたします。

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眼精疲労

目がしょぼしょぼしたりかすんだりといった目の不調を伴う場合は、眼精疲労が原因であることが多く、近視・乱視・老眼やその矯正不良、またドライアイアレルギーといった目の不調が原因となることが多いです。眼精疲労は体調が原因でも起こり、かぜインフルエンザ更年期障害が影響することもあります。多くの方は既にご経験されているのではないでしょうか?

さらに虫歯歯周病といった歯の病気や、耳や鼻の病気などで起こることもあります。また、精神的ストレスが影響している可能性もあります。眼精疲労で身体に異常が現れる理由は、正確にはわかっていません。

目は身体の先行指標ですので、血液が活性酸素等で酸化されていると、眼精疲労として目に真っ先に症状が出ている可能性もあります。

【問題点】

眼精疲労には、目や身体の疾患が原因となっている可能性も考えられます。「単なる目の疲れ」と軽く考えず、眼科での診察をお勧めします。

症状がひどくなると目の疲れや視力の低下にとどまらず、物がぼやけたりまぶたのけいれんが起きたりする場合もあり、生活に支障をきたします。また肩こりや頭痛など、目以外の部位に症状が現れる場合も多いのです。頭痛やめまい、吐き気、倦怠感の原因にもなります。

これは、見えにくいので目を凝らしたり、たびたび集中力を高めようとするためです。こうした緊張の連続が精神的ストレスにつながって、目と体が同時不調をきたしている可能性もあります。眼精疲労はVDT症候群(テクノストレス眼症)によって起こされている可能性もあり、この場合ドライアイになることがあります。最近では「スマホ老眼」と呼ばれる現象も、眼精疲労の一つと考えられます。

眼精疲労は、何らかの手を打たなければ、仕事や環境が変わるといった生活の変化がない限り、自然には治りません。不快な症状がいつまでも続き、その症状がさらに状態を悪化させることもあります。

ドライアイ、アレルギー性結膜炎

まぶたが重く、目がごろごろするような異物感や痛み・疲れ目などがある時は、ドライアイが原因のこともあります。ドライアイは「涙の分泌不全、涙の質の低下」を生じている病気です。高齢化、エアコンの使用、パソコンやスマートフォンの使用、コンタクトレンズ(特にソフトコンタクトレンズ)装着などによって、目の表面の涙の分泌が低下して、さらに涙の質の低下で蒸発しやすくなり、乾燥を引き起こす症状です。

ドライアイ患者数は、2,200万人ともいわれています。しかし、私の臨床感覚では、小学生から既にドライアイを生じている方が年々増えており、自覚が少ない方も含めると日本人の半数以上が既にドライアイになっているのではないかと思われます。

このドライアイになる大きな原因は、アレルギー体質化と考えます。アレルギーというのは、身体を守る免疫力の低下であり、そのために正常な涙の分泌が出来なくなるのです。

【問題点】

目が乾燥すると、目の表面に傷がつくだけではなく、肩こりや頭痛などの不定愁訴にもつながります。また、アレルギー体質は多くの病気の原因ともなり、成人病の3大疾患(がん、心筋梗塞、脳卒中)の潜在的な原因ともなります。

ドライアイになると、視力が良いのにものがかすんで見えるなど、視力に影響がでる場合があります。また、そのままにしておくと症状は目の表面だけでなく、結膜炎や角膜炎を起こす可能性が高くなります。重症のドライアイは、中年女性を中心に多く見られる「シェーグレン症候群」を伴っている場合があります。これには、目が乾くだけでなく口が乾燥したり、関節が痛んだりする全身性疾患シェーグレン症候群もあります。頭痛をはじめとした不定愁訴の原因となっている場合も多く、ドライアイの治療をすることで、それまでの身体の症状が改善する場合も多いのです。

アレルギーについては後天的疾患の多くの原因となっているため、当院では根治のために生活習慣からの体質改善治療を行っております。

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