専門医コラム

2016/07/27

まぶたの重さを生じる疾患 ③

まぶたの重さは、全身の病気からも生じる場合があります。

今回はまぶたに症状を起こす、代表的な身体の病気をお伝えします。

自律神経失調症

まぶたが重い時は、自律神経失調症の疑いもあります。これは、不規則な生活などのせいで身体を働かせる自律神経のバランスが乱れ、いろいろな全身の不調が起こる病気です。ところが、具合が悪いと言って病院に行っても目や内臓などの器官に疾患が見つからないので、「異常なし」と言われることが多いのです。その原因として、免疫力が低下して血液が酸化していることが多く、この酸化の改善治療で軽快します。具体的には高濃度ビタミンC点滴など、血液に直接働きかける治療と、食をはじめとした生活習慣改善の併用が効果的な場合が多いです。

【問題点】

自律神経失調症による訴えは多種多様ですが、その一部の症状が最初に目や瞼に現れることが多いです。

まぶたが重い、涙目になることの他に、体の一部が痛くなったりすることもあり、また精神的に落ち込んだりもします。さらに、頭痛、耳鳴り、動悸、息苦しい、食道がつかえる、手足がしびれる、多汗、汗が出ない、頻尿、尿が出にくい、射精不能、生理不順、筋肉痛など、多くの不定愁訴を訴えられます。保険診療では、原因を見つけて根治することが容易ではないため、当院ではアレルギー科で免疫力を高める治療をお勧めしています。

重症筋無力症

重症筋無力症が原因でまぶたが重くなることもあります。これは難病に指定されており、神経と筋肉の間の信号伝達が障害される自己免疫疾患で、筋力低下を引き起こすものです。ほとんどの場合、眼瞼下垂と、眼筋の筋力低下による複視(物が二重に見える)の症状が表れます

40%が最初に眼に症状が現れ、最終的には85%の人で眼の問題が現れます。重症筋無力症は女性に多くみられ、特に20~40歳の女性に多い病気ですが、どの年齢層の男女に起こり、子供の時に始まることもあります。

眼の症状だけの場合は眼筋型、全身の症状があるものを全身型とよんでいます。

【問題点】

15%の人では眼の筋肉だけに障害が起こりますが、大部分の人は全身に症状が現れます。その場合、運動後には筋肉が著しく疲れ、筋力低下が起こります。話すことや飲みこむことが困難になり、腕や脚の筋力も低下します。呼吸に必要な筋肉に筋力低下が起きることもあり、その場合は命にかかわります。

瞼に症状が現れ、全身的な障害につながる重症な疾患の一つです。

自己免疫疾患ですので、免疫力のコントロールが治療の主体となり、ステロイド薬や免疫抑制薬を服用中であっても、少ない量で病状がコントロールされていれば健常人と何ら変わることの無い生活を送ることが出来ます。

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「目は心の窓」とも言われます。

多くの身体の病気は最初に「目」に現れることが多く、思わぬ病気のシグナルにもなります。まぶたも同様で、まぶたが重い症状が長引いた時は、眼科での検査が必要です。

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