女性がメイクの際に目をこすることや、コンタクトレンズの装用でまぶたを支えている筋肉にダメージを与え、眼瞼下垂に繋がることを前回ご説明しました。
しかし、メイクもコンタクトレンズも使用しない子供さんでもまぶたが下がっておでこにしわを寄せている方が増加しています。
アレルギー性結膜炎による慢性的なまぶたの炎症
これはアレルギー体質の増加で、常にまぶたの結膜が炎症を起こし、時には皮膚炎も併発するため、”かゆみ” を感じていなくてもまぶたをこする癖が付いていることが原因と考えます。
花粉症の患者さんが年々増加していることは多くの方がご存知かと思います。大人に限らず、小さな子供さん(時には新生児も)でも花粉症患者さんが大勢おられます。こうした花粉症患者さんは、スギ花粉だけに反応していることは少なく、多くの場合、様々なアレルゲンに対して反応していることが殆どです。通年性アレルギーの方も多いのです。
なぜ、子どものうちからアレルギー症状の強い方が増えているのでしょうか?
アレルギー体質になる原因
アレルギーとは、ウイキペディアによると以下のように説明されています。
「アレルギーとは、免疫反応が特定の抗原に対して過剰に起こることをいう。免疫反応は、外来の異物(抗原)を排除するために働く、生体にとって不可欠な生理機能である。語源はギリシア語のallos(変わる)とergon(力、反応)を組み合わせた造語で、疫を免れるはずの免疫反応が有害な反応に変わるという意味」
私は患者さんへ上記の内容を以下のようにお話しします。
- 身体の防衛部隊 =「免疫(めんえき)」
- 免疫が病気を防ぐ
- ところが免疫が身体を防衛せずに、自分を壊すように攻撃!
- 何かの原因で免疫が勘違い起こす
- 防衛部隊が働かない = 身体を守れなくなり病気になる
まぶたも慢性的なアレルギーで様々な負担からまぶたの筋肉を守れなくなった状態が眼瞼下垂なのです。
様々な負担というのが、まぶたをこすったり、コンタクトレンズを付け続けるような生活習慣です。
では、どのような原因で免疫力が働かなくなるのでしょうか? 次回は免疫力を弱める原因についてお伝えします。