専門医コラム

2016/08/20

緑内障質問への回答

前回の患者さんからの質問に順番にお答えさせていただきます。尚、当院での緑内障治療の考え方については以下の動画をご参照ください!

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1: 人の盲点の大きさに左右差があっても普通でしょうか?

盲点とは、光を捉える視細胞の無い部分(視神経乳頭部分)に相当します。視神経乳頭の大きさに左右差があることは、珍しいことではありません。特に視力の左右差(近視の強さの左右差)が強い方にはその傾向が多く、当然、"盲点の大きさ” に左右差があっても何ら不思議ではありません

参考までに視神経乳頭の大きさや、詳細はOCT という検査器械を用いることで精密な検診が出来るようになりました。名古屋院、長浜院ともに当院では緑内障発見の必須の重要検査です。

2: これがただ単に盲点なのか、異常による暗点なのか、自分ではわからなくても眼底検査を受けたら先生には区別できますか?

”眼底検査” で視神経乳頭の状態を診察すると、緑内障性の視野変化が出ている可能性を診断できます。しかし視野以上であるかどうかの確定には ”視野検査” が必要です。

ご心配な方は当院では早めの緑内障検診を受けていただくようお勧めしています。緑内障は現時点では傷んだ視神経が回復しないとされており、早期発見・早期治療が重要であることは眼科専門医の一致した意見だと考えます。

3: 盲点は脳が補ってくれるので、緑内障の場合も片目で周囲を見ても、脳が補ってくれたなら視野が欠けているとは感じないのでは?

これはケースバイケースだと考えます。上記の1の質問にも通じますが、視神経乳頭の大きさに左右差があったり、視神経の傷み具合(萎縮)の程度に左右差がある場合は、左右の視野を比較して差を自覚されて眼科を受診される方もおられます。つまりこうした場合では「緑内障の暗点は、盲点のように脳の補正」が及ばずに、視野の左右差を自覚するケースと考えれます。

しかし、多くの緑内障患者さんでは、特に左右差が少ないと両目で欠損した視野を補い合って「脳の補正」と言えるような対応で視野以上の自覚を少なくしているとも考えられます。

結論としては「ある程度は脳が視野に不自由しないように対応している」可能性が高いと思われます。

しかし「脳が補正」しているとしても、緑内障になっている方の視神経萎縮を改善させているわけではないと考えますので、自覚が少なくても眼圧が高めで近視が強い方は早めに眼科専門医(緑内障学会の会員の医師であればさらに良いでしょう。参考までに小栗は緑内障学会会員で緑内障専門医でもあります。)の診察を受けて早期発見に繋げていただくことが重要だと考えます。

尚、当院では緑内障は全身問題の先行指標として目に現れる疾患と捉えています。眼球だけでなく、身体を守る免疫力の低下も含め全身状態の診察をお勧めしていますので、当院の緑内障のページを是非ご参照ください。

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