専門医コラム

2016/08/25

交感神経が過度に緊張すると病気になる!? 眼瞼下垂との関連②

交感神経にも強い弱いがある

  • 気の合う同僚と楽しく仕事をする時
  • トラブルをかかえて悩んでいる時

この2つの状態は交感神経の緊張度合いがまったく違います

仕事の環境ひとつとっても「楽しく仕事をしている人」と比べると「苦手な上司やプレッシャーにかこまれて仕事をしている人」はストレスも強く、交感神経の過緊張状態が続きます。

当然、自律神経のバランスの乱れは大きくなります。

副交感神経は修復・休息・リラックスの神経

ちなみに副交感神経がはたらくのは、リラックスしている時、ねむっている時、体を回復している時。おもに、夜の睡眠中、お風呂に入っている時、食事をしている時です。

マッサージされてトロ~ンと眠くなっている状態も、副交感神経が優位な状態ですね。筋肉がゆるんで血管がひろがるので、栄養・酸素・体温が全身にいきわたり、体の修復がおこなわれます。

副交感神経がはたらく時間が短ければ、体がじゅうぶん回復できずに、疲れがとれない、体が重たい、目覚めが悪い、肩や首がこる、めまい、微熱など、さまざまな不調があらわれてきます。「ゆるむ」ことが、健康のためには欠かせません!

交感神経と副交感神経は正反対のはたらき

交感神経と副交感神経は、体の同じ器官に対して『正反対のはたらき』をすることで、体の機能のバランスをとっています。

自律神経のそれぞれのはたらき

たとえば血管のはたらきも、このように正反対になっていますね。

  • 交感神経・・・血管が収縮する(ちぢむ)
  • 副交感神経・・・血管が拡張する(ひろがる)

緊張・不安・ストレスが交感神経を緊張させる

緊張や不安やストレスが強いと食欲がなくなることがありませんか?
これは交感神経が優位な状態になると胃や腸などのはたらきがおさえられてしまうためです。
ストレスによって交感神経がはたらく ⇒ 胃や腸などのはたらきが弱まり、消化液の分泌がおさえられる ⇒ 食欲がなくなる  という反応です。
また人前でスピーチをする時にドキドキする、という経験ありますよね?
スピーチに緊張して交感神経がはたらく ⇒ 血管が細くちぢむ ⇒ ちぢんだ血管に勢いよく血液を流すために、血圧を上げて、心拍数を増やす ⇒ ドキドキするでもスピーチが終わればドキドキもおさまってきますし、ホッとしたとたんにお腹がすいたりしませんか!?
交感神経がはたらく原因として、次のようなストレスが誘因となります。長時間の通勤、仕事のノルマ、プレッシャー、人間関係のストレス、パソコン、不規則な食生活、食品添加物、電磁波、睡眠不足、テレビ、ゲーム、蛍光灯など、さまざまなのです。

交感神経による筋肉の緊張が、不調の大きな原因

交感神経が優位にはたらくことが問題なのではありません。ストレスが多いために交感神経ばかりはたらいてしまい、副交感神経(体の修復)が十分にはたらけないことが問題なのです。
緊張ばかりが続いて、リラックスできずに身体を適度に「ゆるめらない」と、交感神経ばかりがはたらいて体のバランスを崩すことに繋がります。
そのため、

⇒ 筋肉がかたくなる

⇒ 血管がちぢむので、栄養・酸素・体温が全身に行き渡らない

⇒ リンパの流れも悪くなるので、疲労物質や老廃物が排出されにくい

⇒ 疲労回復や体の修復が追いつかず、疲れや不調をかかえてしまう

⇒ その不調自体がストレスとなり、さらに交感神経がはらたいてしまい・・・という悪循環におちいります。

副交感神経が適切に活動してくれると、身体の元気アップ!

交感神経ばかりはたらいてしまうことが自律神経失調症の原因です。改善には、ストレスを減らすこと、副交感神経をはたらかせることが必要です。
とはいえ、ストレスとなる仕事や人間関係を急に変えることはできませんし、自分の意識で、副交感神経にきりかえることもできません。しかし、先程記載しましたが、マッサージされてトロ~ンと眠くなった経験をお持ちの方は多いでしょう。

眠たくなるというのは、副交感神経優位に切りかわった証拠。つまり、筋肉をほぐせば交感神経 ⇒ 副交感神経優位に切りかわり、身体の回復が進むのです。

不調や疲労をかかえる人の共通点は、体がガチガチに固くなっていること。とはいっても、毎日マッサージを受けるわけにもいきません。

眼瞼下垂と交感神経

まぶたの下がりがあると、無意識のうちに目を開くためにおでこに皺を寄せている方が多いです。おでこの「前頭筋」をいう筋肉を無理やり使っていないと目を開けられず、視界を確保するためには何とか目を開いていたいという生理的な要求があるからです。

この前頭筋をつかうことこそが「交感神経過緊張」に繋がります。

まぶたがまぶたを引き上げる筋肉(眼瞼挙筋)の働きだけで開けられるようになると、交感神経の緊張が激減し、副交感神経優位な状態に繋がるため、身体の様々な交感神経過緊張に伴う不快症状や様々な病気の軽減に繋がります。

身体がガチガチになっている際、ストレッチをしたり、自分で体をマッサージするのも効果的ですが、その状態が眼瞼下垂による交感神経過緊張であるならば、まぶたの手術で体の不調改の改善に繋がるのは、こうした理由からなのです。

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