専門医コラム

2016/09/04

セレーナ・ゴメス 全身性エリテマトーデスの根治のための治療②

前回お伝えしたように全身性エリテマトーデスは難病指定されている病気で、多くの方が苦しんでいます。自己免疫性疾患とも呼ばれる、強いアレルギー性疾患です。

そもそもアレルギー性疾患は何故生じるのでしょうか?

人間は身体には、自分の "からだ" にないもの、なじまないもの(異物)を見分ける力が備わっています。身体の中に異物などの「抗原」が侵入してくると、「抗体」を作って排除しようとします。この働きが免疫反応で、抗原を無害化します。しかし、中には抗原と抗体が反応して、異常に過敏な症状があらわれることがあるのですが、これがアレルギー反応です。

体内に入った異物を、免疫力が体外に排泄しようとしてかゆみを始めとした何らかの反応が起こっているのが、アレルギーで生じる様々な症状と捉えることができます。便や尿、汗での排毒が追いつかない場合、あるいは排毒能力が衰えている場合、皮膚や髪の毛、爪、関節、からも私達の免疫力は排毒しようとします

様々の疾患で生じている反応の理由

様々な疾患で生じている「症状」が身体の排毒作用の結果と捉えると、

① アトピーは皮膚

② リウマチは関節の中

③ SLEは、全身の様々な臓器や組織から排泄

しようとしている結果と捉えることが出来ます。身体を守ろうとしている反応が「症状」として不快な苦しさとなっているのです。

皮膚の膠原繊維、つまり結合組織から毒素を出そうとすれば、皮膚炎

肺から毒素を排泄しようとすれば、肺炎

胸膜から毒素を排泄しようとすれば、胸膜炎

これは東洋医学的な考え方でもありますが、残念ながら増加の一途を辿っているアトピーのメカニズムを把握すれば、実はその他のアレルギー疾患、膠原病のメカニズムも同様に理解できると考えます。

この悪循環を断ち切り身体の免疫反応の妨害をしなければ、難治と言われる膠原病も完治可能と理解いただけると思います。

不快な「症状」は治るために必要な免疫反応

免疫の働きで、化学物質などの毒素を排泄し続ければ症状は治癒に向かいます。しかし、いくら排毒しても、毒素を入れ続ければこの悪循環は永遠に止まりません。

私が水と食の重要性をお伝えするのは、眼疾患も、全身疾患もSLE と同じ原因で、身体に毒素を入れる、一番の原因は「水と食」だからです。

身体から皮膚炎、肺炎、胸膜炎、といった反応で排毒が終了し新たな毒素を入れなければSLE は快方へ向かいます

副腎皮質ホルモン、ステロイドの問題

ところが不快な症状を抑えるために使われる副腎皮質ホルモン、ステロイドを使えば一旦、かゆみ等の不快症状は治まります。しかし、ステロイドを使い続けて「症状」を「覆い隠している」だけでは、病気は永遠に治りません。

むしろステロイド薬の副作用が強く出てきて、薬の合併症に苦しむことになります。

その理由として以下のことをご理解ください。

まず、体内に化学物質が入ってきた場合、普通免疫はそれを異物とは見なします。化学物質は、初めての時は免疫が真っ先に攻撃にかかります。しかし、化学物質は、何度免疫に攻撃されても死にません。なぜなら生物ではないからです。

やがて免疫は死んだ異物である化学物質を、攻撃しても無意味な事に気付きます。

炎症がひどくなり、症状が強くなるばかりだからです。

次の段階は、別の方法で体外に追い出そうとします。IgG抗体を使って攻撃していた戦法をかえて、IgE抗体を使って外に排泄しようと戦略を変更します。

リウマチは、IgG抗体で化学物質を攻撃する免疫の戦いだから、痛みが出ます。

アトピーはIgE抗体を使って化学物質を排泄するから、皮膚にかゆみが出ます。

つまり、膠原病の治る際には必ず痛みから、かゆみに変わる過程が現れます。

ステロイドの発明がノーベル賞として有名になった1950年代までは、アトピーや、膠原病などは圧倒的に現在よりも少なかったと言われています。

SLE は、皮膚炎や胸部痛などの痛みが出ますが、時間と共に減少します。しかし、ステロイド薬で見かけの症状を抑え続ければ、当然、排毒が進まず、「水や食」で毒素体内に入れる原因も蓄積していくことから、長期化、重症化、ステロイド薬の副作用に苦しむことになり、強くなる症状を抑えるために薬を増量するとますます悪循環が悪化していくことに繋がります。

SLE も、免疫との戦いである皮膚症状や、痛みを何回も経験することで、原因を体外に出してしまえが痛みは無くなり、治癒に向かいます

多くの眼科の疾患もSLE と同じ!?

毒素の排毒先が

① 視神経に生じれば、緑内障(だから眼圧が正常でも "緑内障" が増加している)

② 網膜の黄斑部に生じれば、加齢黄斑変性症

③ 水晶体に生じれば、白内障

④ 膵臓に生じれば糖尿病 → 糖尿病網膜症

と考えると分かりやすいのではないでしょうか?

もし現在お困りの眼科疾患、全身疾患を治したいと思われるようでしたら、生活習慣の見直しをされることが治療への近道です。

しかし、「好きな食べ物を止められない!」ということが最大の治療障壁となります!? そのために当院のアレルギー科では様々な方法を治療に取り入れておりますので、お困りの方はお気軽にご相談ください!

参考として、水と食については以下のリンクをご参照ください。

カラダは水で出来ている!

身体へのストレスを減らす食事

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