専門医コラム
2016/09/18
若年性老眼、白内障も併発しやすい
若年性老眼では、注意しないと手術が必要となる場合もあります。スマホが見づらくなった、と感じた場合は早めに眼科で精査をして下さい。
老眼と併発する白内障も増えている!
若い世代に増えている眼の症状は老眼だけではありません。若年性老眼の症状がある場合、白内障も併発しやすいので注意が必要です。
一般的に白内障は40代後半か50歳以降に起こりやすい症状とされています。しかしながら30代前半から白内障の症状を訴える人が増えているのです。白内障は水晶体のたんぱく質が変性して濁ったり歪んだりすることで、視界がかすんだりぼやけて見える症状が一般的です。一度、白内障が生じると手術をしない限り視力低下が進行します。
比較的若い世代で起こる白内障には、以下のような症状が起こることが多いのです。
- ちょっとしたことで眼の疲れを強く感じる
- 日中の明るいところで眼がまぶしく感じる
- 急激に近視が進行する場合もある
こうした症状が出現した場合は、白内障が生じている可能性が考えられます。
スマホは持ち歩きでき、電話もインターネットも何でもできてしまうもはや生活の必需品です。「目の健康を害するので使わない」とは出来ないですね。
しかし、「スマホがないと生活できない」「暇さえあればスマホをいじっている」と必要以上にスマホ依存している人は、スマホによる目へのストレスで老眼が進んでしまうおそれがあるので、注意が必要です。
老眼は治せる!トレーニングで目を鍛えよう
通常の老眼は一度たんぱく質が変性して老化してしまった水晶体を元通りに戻すことができないため、残念ながら手術以外の方法では視力回復は難しくなります。
一方、若者の老眼は水晶体を支える「毛様体筋」という筋肉の緊張が原因で起こっています。水晶体は老化していないため、毛様体筋をほぐしてあげれば症状を改善することが可能です。「調節緊張」と呼ばれる現象です。水晶体のたんぱく質が変性する前に筋肉の緊張をほぐしてあげることが重要です。
すでに老眼の自覚がある方、スマホ老眼を予防したい方には以前のコラムで紹介した「イルカロゴ追視トレーニング」がいつでもお手軽にできる方法ですので是非おためしください。
また、未成年の近視トレーニングに用いる「トレーニングメガネ」もお手軽で有効な方法です。
いずれも1日5分から10分程度、目の疲労を感じた際に行ってもらえると老眼進行抑制に有効な場所を選ばずお手軽にできる方法です。
水晶体を老化させない食
老眼は水晶体のたんぱく質が変性して生じるとお話ししました。この変性はたんぱく質の酸化のためです。酸化の原因となるのが「血液の活性酸素」なのです。
アトピー性皮膚炎や糖尿病で白内障が起こりやすいのは、ともに血液の活性酸素が増えているため、水晶体の細胞代謝に悪影響を与えるからです。つまり細胞を酸化させてしまう活性酸素を少なくすることが老眼、白内障の予防に繋がるのです。
血液の活性酸素が増える原因は様々です。しかし、我々の身体は食べたもので出来ており、水と食の質があなたの血液の質を決めます。(あなたの目の為に、ナチュラル•ハイジーン!)。
水晶体を酸化させにくいということは、身体全体を酸化させにくくなるということであり、病気や老化の予防と治療に繋がるのです。