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一般的に、「抗アレルギー薬」といっても様々です。
喘息治療薬とアレルギー性皮膚炎の薬は全く別物です。様々な抗アレルギー薬の中から、今回は「抗ヒスタミン薬」に関して緑内障をお持ちの患者さんにとって重要な眼圧への影響をお伝えいたします。
「抗ヒスタミン薬」は体内のアレルギーを引き起こす物質の一つであるヒスタミンを抑えます。
アレルギー反応による目のかゆみ、鼻炎や鼻水、咳あるいは皮膚炎など、様々な症状を抑える効果を発揮します。代表的な抗アレルギー薬です。花粉症の季節などで処方薬や市販薬で使われるのもこの「抗ヒスタミン薬」が多いのです。
鼻炎などに効果を発揮するので、風邪の時に服用する多くの「総合感冒薬」の中にもこの「抗ヒスタミン薬」が含まれています。処方薬、市販薬問わず一般的な薬です。
風邪をはじめとした感染症は、アレルギー体質をお持ちで体調不良やストレスで上手く身体を守ることができなくなった時にウイルスや細菌を防ぎきれなくなります。アレルギー症状がウイルス感染、症状発症に繋がるからです。抗ヒスタミン薬は、アレルギー症状を抑えることで、症状軽快に繋げます。
「抗ヒスタミン薬」が花粉症などに使われる…と聞いて思い出すことがりませんでしょうか? 花粉症の薬と聞いて多くの方が想像するのが「副作用で眠気が出る」でしょう(最近では眠気が少ない「抗ヒスタミン薬」も発売されています)?
実は「抗ヒスタミン薬」は 眠気の他にも様々な副作用をもっています。
口渇(唾液が出にくくなって口の中が渇く)や便秘などといった症状が現れる場合もあります。このような副作用は薬によって副交感神経が遮断される作用(抗コリン作用)によって引き起こされるとされていますが、この抗コリン作用こそが眼圧へ影響を与える可能性があるのです。下痢薬にも抗コリン作用が含まれるということはすでに説明しました。機序は割愛しますが、抗コリン作用により瞳孔が過度に開く(散瞳)場合があり、これが眼圧上昇につながり、結果として緑内障の悪化につながるのです。
もちろん、「抗ヒスタミン薬」を飲んだからといって必ず眼圧が上がるわけではなく、頻度は非常に稀です。しかも緑内障の中でも日本人では比較的少ない「閉塞隅角緑内障」に強く影響するため、一口に緑内障と言っても様々な種類があることはこれまでにも述べてきました。
日本人の7〜8割を占める「正常眼圧緑内障」では抗ヒスタミン薬で眼圧が上昇する可能性はほとんどありません。そのため一口で「緑内障」と言っても、多くの場合は問題が少ないと考えられます。しかし、「抗ヒスタミン薬」は総合感冒薬や花粉症の薬以外にも乗り物酔いの薬などの一部にも含まれている場合もあり、知らず知らずのうちに服用してしまう可能性も少なくありません。
緑内障の治療を受けている方は予め、ご自分がどのような種類の緑内障であるかや「抗ヒスタミン薬」を飲んでも大丈夫かを確認しておき、風邪や花粉症などで薬を服用する場合には念のため、医師や薬剤師にご相談下さい。
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