専門医コラム

2017/01/29

目の老化 5つのポイント スマホ注意②

前回に引き続き、目の老化のポイント、3つ目をご紹介します。

3)長時間スマホ・老眼による「毛様体筋の衰え」

さて3つ目は物を見るときに遠近のピントを調節する毛様体筋の衰えについてです。老化と共に筋力が衰えて、ピント調節ができなくなることが老眼の一因です。

パソコンモニターや携帯電話の画面などを見る時に、近い距離で長い時間凝視し続けると毛様体筋の緊張が続き疲労が蓄積します。スマホの普及により何時間も近くを凝視する人が増えています。中学、高校生でも一日中スマホの画面を見続ける方も増えていますね。そうすると筋肉が休む間がなく、毛様体筋の筋力や柔軟性の低下が発生しやすくなります。「スマホ老眼」の原因となります。問題は、そのために若年層の目の老化が急速に進んでいる可能性が高まっている点です。

 4)加齢による「水晶体の変化」

4つ目は水晶体の変化です。ものを見る際、毛様体筋の収縮弛緩により水晶体が薄くなったり厚くなったりすることで遠近のピント合わせの焦点が調節されます。

酸化ストレスや老化によって水晶体の弾力性が失われた状態が老眼です。水晶体はタンパク質で出来ています。イメージとしては「卵の白味」です。この卵の白味はタンパク質であり、熱を加えると混濁して固まります。「ゆで卵」です。透明な白味(透明な水晶体)が「ゆで卵」のように固くなって濁っていくのが老眼なのです。「ゆで卵」は進行すると透明だった色味が白く濁っていきますよね。ゆで卵のように水晶体が濁って視力が低下するのがいわゆる白内障です。

水晶体の白濁は紫外線などによる酸化ストレスの関与が大きいと言われています。しかし紫外線に耐えらえるような体質、血液の免疫力を改善すれば水晶体の混濁を遅らせることが出来ます。

白内障の主症状は視力低下ですが、長い年月をかけて徐々に進行するため多くの場合、患者さん自身は自覚されにくいようです。手術をして、手術前後の違いが自覚されて初めて「白内障で視力が低下していたんだなア」と理解される方も多いです。

 5)紫外線やブルーライト、喫煙による「網膜の劣化」

最後は網膜の劣化です。網膜はカメラのフィルムに相当する重要な部分です。水晶体を通過してきた視覚情報が、網膜上に投影され実際に見える形が作られます。

網膜のほぼ中央にある黄斑部はルテインなど黄色の色素によって保護されていますが、老化によってこの色素が減ると、紫外線やスマホなどから発せられるブルーライトの影響を強く受けてしまいます。光以外では、喫煙によるダメージも大きく影響すると医学研究で報告されています。黄斑部の色素減は、近年急増している加齢黄斑変性証という視力低下や失明に繋がる疾患が生じ易くなります。

紫外線やブルーライトといった直接目に入る刺激のほか、ライフスタイルの欧米化(主に食事)や高齢化が加齢黄斑変性の増加の理由と考えられています。

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前回お伝えしたように、これらの原因がともに「血液の酸化」という点で一致することが多いためです。血液の酸化が身体の病気の大きな原因であることはこれまでもお伝えしてきました。

これらの改善・治療には、毎日のを中心とした生活習慣管理がとても大事なのです。我々は食べたもので出来ているからです!

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