専門医コラム

2017/02/24

ドライアイとコンタクト ソフトコンタクトは安全?

ハード、ソフトにかかわらず、眼鏡でなくコンタクトレンズ(CL)を選ぶ人の多くが、ファッションやおしゃれなど外見に対するこだわりを持っていると思います。

前回のコラムで眼瞼下垂のリスクが100倍と言われても、眼鏡にはしたくない人が多いでしょう。「コンタクト、止められない、止まらない!?」人がたくさんおられます・・・。

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コンタクトは "ビニール"

「CL は、ビニール! サランラップを目に貼りつけて生活しているのですよ!」とお話しすると驚く患者さんが多いです。どうやら「CL が安全と勘違い」している方が大半なのでしょう。ハードCL は硬めのビニール、ソフトCL はサランラップのような柔らかいビニールです。

ハードCLでまぶたのたるみが起こりやすいことは前回医学研究報告をご紹介しました。

ではソフトCL の方が安全なのでしょうか? 答えは「ノー」です。

しかし、「CL は安全」と勘違いされている方が多いようですね。

ハードCL は水分を含みません。そのため、乾燥させても大丈夫です。しかしソフトCL は各レンズに「含水率」と言って必ず水をレンズそのものが含んでいます。ですから使い終わって捨てるソフトCL を机の上に放置するとどうなるでしょう? 経験された方はご存知ですね? 30分も机の上に放置すると乾いて、パリパリに固まってしまいます。

何故、一日目の中に入れてソフトCL がパリパリにならないのでしょうか?

ドライアイとコンタクト

答えは簡単です。「ソフトCL は涙を奪うことで、パリパリにならない」わけです。

しかし奪う涙が不足すると、ソフトCL は目に「貼り付き」ます。夜、CL を外す時に目に貼るついている方が大勢います。10~20年ソフトCL を使い続けて何だを奪われ続けることで確実にドライアイは悪化しています。

涙を補うためにいくら人工涙液の目薬を補っても、一回の点眼効果は10分程度と言われています。10分おきに一日中目薬を付けることは不可能ですよね。また、それ程頻回に点眼をすると自分の涙の大事な成分が流されてしまい、結膜炎や細菌感染を起こしやすくなってしまい危険です。

私はソフトCL は毎日使用するべきではないと考えています。

普段はメガネで生活して、運動時に時々使う程度の使用をお勧めしています。

10年以上ソフトCL を使っていて、ドライアイにならないことが不思議なくらい、臨床現場での印象です。当然アレルギーなど、慢性結膜炎も悪化します。

CL より近視手術の方が安全です

そして何よりサランラップを張り付けて生活することで、空気に触れて呼吸している黒目(角膜)細胞が「窒息」することが問題です。これはソフトCL で顕著ですが、ハードCL でも生じる問題です。

鼻と口にサランラップを張り付けて、「快適に生活できる」はずがありませんものね!

ですからCL を使う方は必ずコンタクトレンズに詳しい眼科専門医の定期健診を受けて下さい。通常の透明なCL でも常用すれば目の負担は必発です。ましてや質の良くないカラーコンタクトレンズ(カラコン)を眼科での目の状態確認なしに購入されている方! 当院では毎日のようにカラコントラブルで受診される方がいます。障害を起こすのは時間の問題で、当然と言えば当然です。

CL はソフトもハードも目の異物! ドライアイを悪化させ、まぶたのたるみも悪化させます。私が患者さんがコンタクトレンズを10年以上使う予定であれば、近視手術をお勧めしています。100歳までの目の安全を考えると、手術よりもCLの長期装用の方が目にとってリスクが高いからです。

2週間使い捨てのコンタクトレンズを使用した場合の費用

※コンタクトレンズとケア用品を1年間使用した場合にかかる費用4万2,000円=2週間使い捨てコンタクトレンズ:定価3,750円/1箱6枚入り×8箱、ケア用品:定価1,000円×12本と想定。眼科への受診料は含まず。

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