専門医コラム

2017/07/04

乳がん急増の原因は乳製品?③

栄養・疫学研究が世間を惑わす

今回、私の拙い文章が問題となりお読みいただいた読者からご指摘いただきました。この方が指摘されているように、過去に行われた乳製品と乳がんに関する疫学研究には、乳がん治療ガイドラインにあるように乳製品によって乳がんが減るという研究、増えるという研究、関係がないという研究があって、研究結果が一致していません。

何故、このようなどちらともつかない結果が導き出されるのでしょうか? どれを信じてよいのかわからない、というのが多くの方の印象だと思います。

疫学調査は鵜吞みにしない

第一の理由は、前回のコラムでお伝えしたように、女性を対象にする質問調査は簡単ではないという点です。女性には自分の食べているものを少なめに答える傾向がありそうです。太っていることは恥ずかしいことだとする現代人特有の心理状況もあり、たくさん食べている女性ほど「少ししか食べない」と答える傾向が感じられます。太り気味か痩せ気味かによっても答える内容が実際と異なる傾向もありそうですね。栄養疫学の研究は真実とは逆の結論に達してしまうこともあるのが「回答が真実か(意図して回答者が嘘をついているというのではなく、食の内容については誤差が生まれやすい傾向)」という点が確認できないのです。

言葉を変えると、疫学研究で用いられる栄養調査が個人の乳製品の摂取量を正確に把握できなません。乳製品は、牛乳として飲まれるだけではなく、バター・クリーム・チーズ・粉ミルク・練乳・発酵乳などが多種多様の料理・食品に使われています。そのため、個人の乳製品の摂取量を推定することは、現在の栄養調査では不可能とも言えます。現代人は、乳製品を食べているという自覚なしに、大量の乳製品を口にしています

私が外来で、「乳製品を取りますか?」と質問すると、「殆ど食べません」と答える方が多くいます。そのあとで、「パンは食べますか?」、「毎日食べます」(牛乳、バターを使わない版を選んで食べてはいないそうです)、「ヨーグルトは食べますか?」、「牛乳は飲まないけれど、ヨーグルトは朝欠かさず食べます」といった答えが日常茶飯事です。

乳製品を減らすとどうなるか?

私の経験をお伝えします。

私自身は若いころひどい花粉症で、目だけでなく鼻炎、湿疹と言ったアレルギー症状が強く出ていました。

特にスギ花粉については「スギ花粉センサー」として大活躍!?

私のくしゃみが出だすと、その1週間後くらいに外来に大量の花粉症患者さんが来院されるということが毎年繰り返されていたのです。スギ花粉症の患者さんが増えることを予測して、薬の準備をするには私の体質が役に立っていました(笑)

40歳を過ぎてから、さすがに健康に気を遣うようになりました。

一番に気付いたのが「乳製品による免疫力低下の可能性」でした。

それまで毎日500cc 以上(牛乳瓶2本以上)飲んでいた習慣をピタリと辞めました。それまでは「牛乳は健康に良い。毎日牛乳2本飲みましょう!」と言う教育をキチンと守っていました。ところが、「牛乳を止める!」という、教えに背くことをしてしまいました。その結果・・・。

花粉症が劇的に軽くなりました。それに伴い、それまでしょっちゅう風邪をひいて辛い思いをしながら診療にあたることが多かったのですが、全くと言っていいほど風邪をひかなくなりました。また、毎日の疲れが軽くなり、50歳を過ぎた今でも徹夜もさほど難なくこなせます。もちろん病気で仕事を休むこともありません。

牛乳を止めたのちに、炭を常食するようになり、さらに飲み水を「蒸留水」を基本としました。これだけで殆ど花粉症は完治と言っていいレベルとなり、ドライアイも軽快しました。

チャコールパウダー

日常の食ももちろん気を付けています。ところが打ち合わせや様々な会合、お付き合いもあり私の生活習慣では、一般の方より外食は多い方だと思います。忙しい週では、毎日、仕事などで夕食は外食となることがあります。ですので、乳製品を全く摂取しないわけではありません。ところがわずかの工夫でこれだけ効果が出た、と強く実感しています。開業医となって14年を超えましたが、病気で休んだことは一日もありません。30代までの体調を崩しがちだった自分を思い出すと、まさに奇跡のようです。

乳がんに限らず、「花粉症」、「アトピー」、「喘息」、「ドライアイ」、「糖尿病」等、言い出すとキリがありませんが、現在、何らかの病気をお持ちの方には「可能な限りの乳製品減量!」を是非お勧めします費用は掛からず、医療機関へ通う必要もない方法です。

特にこの方法は、実行したからと言って "副作用” は起こらないでしょう! 安全は健康法です。

”医学研究" のお墨付きが付くまで待っていて病気になっては残念だと考えます。副作用のないと考えられることは、私はためらわず実行する癖があります。

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