前回からの続きです。
飲酒、喫煙の緑内障への影響について40歳以上の白人を対象とし、527人のPOAGと診断されたことがある患者群と1539人の対照群において比較されました。2年ごとの追跡調査がされました。
その結果を以下に記載します。
1)高血圧とPOAGとの関係はT-786C SNPという遺伝子の異型に関連する。
高血圧のないTT同型接合体という対立遺伝子を持つ人と比べて、高血圧があるTT同型接合体を持つ人はPOAGになるリスクがかなり高い。
2)非喫煙者のrs7830 tagging
SNPを伴うCC同型接合体という対立遺伝子を持つ人と比べて、喫煙者、もしくは喫煙歴のあるCC同型接合体を持つ人は、POAGになるリスクが高まる。
しかし、変異型対立遺伝子(A)を持つ人においては、喫煙とPOAGは関連づけられず、また、アルコール摂取量との相互作用も認められませんでした。
結果として、高血圧および喫煙によりPOAGになるリスクが高まるかは、T-786C SNPとrs7830 tagging SNPによる、と結論されています。
白人における研究結果ですので、そのまま日本人に当てはまるとは言えません。今後、異論が出てくるかもしれません。
興味深いのは、このような研究が日本人を対象として進めば、緑内障を患っている患者さんの中で、高血圧の治療をしっかりしなければならない人、禁煙が望ましい人などを特定でき、よりきめ細かい遺伝子タイプによる治療の実現につながる可能性を示唆していると考えられることです。
こうした多くの研究者の努力によって解明されてきた点や、仮説も含めて当院では緑内障の治療方法についてご提案させていただいております。
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