専門医コラム

2017/09/25

炎症、抗ヒスタミン薬

小栗:O  チャコーシェルくん:チャコ

炎症を抑える抗ヒスタミン薬

O:   「この毛細血管の内皮細胞のスキマを通じて血漿成分(血液の透明性分)が組織へ滲出する “血管透過性亢進” と呼ばれる反応がおこります。 血管透過性亢進には皆さん名前は聞いたことがあると思いますが、ヒスタミンやセロトニンが関与します。」

チャコ: 「抗ヒスタミン薬、とかよく聞きます。」

O:    「この血管透過性亢進を起こすヒスタミンを抑えて、かゆみを抑えるのが抗ヒスタミン薬です。 “アルガード”、“アレグラ”、“アレジオン”、“スカイナーAL錠”、“ザジテン” などの銘柄名が付いている市販薬など、多くの方になじみがあると思います。」

チャコ:  「そうした薬が、抗ヒスタミン薬だったんでチャコ! なるほどですね。」

O:     「また、白血球、マクロファージ、リンパ球なども毛細血管周囲の組織間質へと出ていきます。 これらの血漿成分、細胞成分によって組織細胞の増殖が促され、壊れた組織は回復へと向かうのです。血液成分で、以上が起こった組織が治っていきます!」

チャコ:  「それが “炎症” でチャコか!」

O:     「その通りです。 これが一過性の炎症反応で、生体は異物の攻撃から守られます。 これは非常に素晴らしい身体の防衛機能なのです。 ところが、この反応が慢性的におこると問題なのです。 炎症というのは、壊れた組織を回復する為に “テンパっている” 状態です。 いつもテンパっていると、オーバーヒートしてしまいます。 そうすると、異物を攻撃し排除するだけでなく、自らの組織も攻撃してしまうのです。」

チャコ:  「長時間頑張りすぎると、疲れますからね~。炎症も長引くと良くないのですね。」

O:    「アトピー性皮膚炎はもちろん、花粉症、心筋梗塞、脳梗塞、糖尿病、アルツハイマー病、がん、骨粗鬆症、慢性疲労症候群、うつ病、挙げればきりがないですが、殆どの病気に炎症という病理が大きく影響しているのです。 この炎症を最初から終わりまでコントロールするのがエイコサノイドという物質なのです!  次回は、このエイコサノイドについてお伝えします。」

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