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先の研究報告は、昔とは社会の構造が変わったせいで結婚のメリットも薄れたのではないか、と要約されます。具体的には、以下のような例が考えられるでしょう。
・現在では、結婚相手がいなくても他のコミュニティで豊かな人間関係を築ける
・両親世代の高齢化により、配偶者がなくても経済的にやっていけるようになった
・昔と違って独身者に対する偏見が減ってきた
・独身でも経済的に自立することが可能になってきた
ネットが進歩した現代ではコミュニティの幅が広がり、女性も経済的に自立しやすくなったため、昔よりも「結婚」という社会の維持システムが不要になったのは間違いありません。そのおかげで、わざわざ結婚に依存しなくても、健康レベルを保つだけの経済力や人間関係を維持することが可能になったのです。
さらにTumin氏は、ここで「そもそもすでに結婚が “オワコン” なのではないか?」との指摘もしています。オワコンとは、「終わったコンテンツ」という意味です。
仕事と家庭のバランスは、この数十年で大きく変化しています。良いことか、悪いことかは後世の評価に委ねられるかもしれません。しかし、事実としてこの期間で、結婚した男女が一緒に過ごす時間は一貫して減り続けています。
家庭と仕事に費やさねばいけない時間が増えるいっぽうで、夫婦がともに過ごす時間は減っています。現在のカップルにとって結婚は人生のライフガードではなく、ストレスとケンカの原因となっているのかもしれません。ドキッとした方もおられるでしょう(笑)
結婚にこだわらない社会形態で先進しているのはフランスです。シングルマザーでも子育てに困らないシステムが整備されています。それを認めないと確実に人口が減少し、国力の低下を招くことが火を見るより明らかなため、現状に即した社会保障システムを構築しているのです。
確かに近年では、多くのデータで結婚のオワコン化が指摘されるケースが増えています。代表的なのは2015年にマサチューセッツ大学が行った研究(1)で、アメリカの国民統計を使って全米の独身と既婚者の人間関係を調べたところ、おもしろい結論が得られました。
・実は独身者のほうが、肉親や友人とコミュニケーションが多く幸福度も高い
・既婚者のほうが孤独なケースも意外なほど多い
結婚のせいで友だちとの付き合いが減ってしまい、逆に対人コミュニケーションの量が減ってしまう傾向が見て取れます。結婚や恋愛の意義が昔よりも薄れた現代では、異性のパートナーを作るよりも、普通に周囲と良い人間関係を築くほうが幸せになれるようです。
この研究に対して、読者の方々はどう思われるでしょうか?
人口減少過程にある日本においては、次世代のために新たな社会システムの構築が必要と考えます。「結婚」という形態にこだわり過ぎると、人口減少に拍車がかかる可能性も懸念されます。
しかし、私の周囲では、2回、3回と結婚を繰り返す(離婚を繰り返す!?)ドクターが増えてきています。男性だけではなく、女性も! 単純に「独身」が良いとも言い切れないのでしょうが、世代間格差でしょうか(笑)
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(参考文献)
Natalia Sarkisian, Naomi Gerstel
Journal of Social and Personal Relationships, August 2015, SAGE Publishing
DOI: 10.1177/0265407515597564
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