サイボーグ・アイ、と言われると、私は「ターミネーター」をイメージしてしまいます。
主役のシュワルツネッカーさんが高齢になってきたため、いつまでシリーズが続くのか心配していますが・・・(笑)
さて、”サイボーグ・アイ” です!
香港科技大学の研究者が人間の目の構造を模倣した球状の人工視覚センサーを開発したとの発表が科学雑誌Natureに掲載されました。
Nature volume 581, pages278–282(2020)
このセンサーは光を集中させるためのレンズと、半球状の網膜の役目を果たす部分で構成されます。球体部は直径2cmほどの大きさで人間の眼とほぼ同じ大きさです。
この「眼球」の内部は導電性の液体で満たされます。半球状の網膜にあたる部分は光で発電するペロブスカイトナノワイヤー高密度アレイから作られ、活性化されると人間の神経細胞と同様に電気信号を発生するとのこと。
この視覚センサーは、実際に可視光の入力に関して人間の眼に近い応答性と優れた回復性を示し、文字の画像を人工視覚センサーに投影してみたところ、接続されたコンピューターは、アルファベットの"E"、"I"、"Y"の文字を正常に認識できたとのことです。
現時点では、視野角が人間の130~150度ほどに対して約100度と狭く、今後解決が必要な問題です。とはいえ、他の人工視覚はイメージセンサーが平面状のものが多く、さらに視野角が狭いため、今回の「人工眼球」のほうが優れていると研究者は指摘しています。
コロナ問題で暗いニュースが多い中、まだに「人工眼球」の開発が視覚障害でお困りの方にとって「明るい光明」となるニュースかと思い、紹介させていただきました!