専門医コラム
2015/04/15
微弱電流を流すだけのアムサットでどうしてカラダの中まで分かるの?
レントゲン(放射線)をカラダにあてない、ましてやMRIのような大掛かりな磁力による測定とも異なるアムサットが、カラダの内蔵や脊椎の状態を正確に測定出来る事に疑問を持ちますよね。
今回は少し難しいかもしれませんが、ご興味を持っていただいた方にアムサットの解説をしたいと思います。
アムサットの開発は1985年、ソ連時代の厳しいコントロールの下、国家プロジェクトとして始まりました。その目的は現代医学では解決できずにいた医療診断への効果的なシステムの開発でした。短時間で患者の生体情報を収集し、問題箇所を判別し、各専門医に患者を送ることが課題で、東洋医学でいう未病段階を如何に正確に捉えるかということも大きなテーマだったのです。
これを可能にするために、世界中の機器を調査し、最終的に6か所に電極をあてる方法をアムサットでは採用されました。約10年間にわたり、測定した患者の数は何万人にも及ぶ開発研究が行われました。生体の複雑な電気反応を処理するために何段階ものアルゴリズムがつくられました。アムサットのアルゴリズム開発の中心となったのは、モスクワのケルディッシュ実践数学研究所のイゴルフ教授です。イゴルフ教授は当時のソ連が国の威信をかけて取り組んでいた宇宙航空技術の軌道の計算をおこなっていました。ちなみに、アメリカのアポロ宇宙船が月に行く軌道のアルゴリズムの基礎はイゴルフ教授が構築したとのこと。
多くの電気ノイズに満ちた生体にも関わらず、再現性良くアムサットが測定できるのは、イゴルフ教授の解析アルゴリズムの賜物です。
『何故、左右頭部、両手、両足の6極の電極だけで、身体内部の状態を表すことができるの?』、と多くの方が疑問に思います。
「アムサットは実は地質学からヒントを得てアルゴリズムが構築されている。地質学者は地球上のさまざまな地点で測定して、地質の層を判定し断層図を描き、どこにどんな鉱物があるのかを判断する。 この原則を応用し、アムサットではコンピューターによって制御される複雑なシグナルを皮膚からあてることで、生体内の状態を特定し、身体部位の機能状態を診ることに成功したのである」
アムサットのこうした開発経緯より分かるのは、東洋医学的な測定が可能な器械であるにもかかわらず、中医学に基づくのではなく新しい角度から生体を捉えおり、解剖学に基づくシステムだと言う点です。
アムサットの技術責任者、アレクサンダー・ビリヤエブ先生は次のように述べています。
「現代医学では、病気の兆候が発見されなければ、比較的健康という結論になる。中間的なところで、的確な答えを出すことは難しい。しかし、病気は突然始まるものではない。発病の前には、病気へ移行する過程が長い間続く。臓器に異変が生じた時には、恒常性を保つために調節機能が働き、機能が十分でない場合には、退化過程が始まる・・・。
アムサットの機能状態の診断システムは非常に優れており、標準の状態か? 異変が生じているか? 異変でもまだ立ち直れる状態か? 顕著な異常が生じた状態か? などを表わしている。」
立ち直れるうちにご自分のカラダの問題を見つけて、回復に繋げて頂きたいと思います!!
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