専門医コラム

2015/07/01

子どもの肥満予防、「1日5種類以上の果物」「テレビ画面など1日2時間まで」など

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子どもの肥満予防研究報告

カナダ、ブリティッシュ・コロンビア大学、シャザーン・アメド氏らの研究グループが、生物学系の専門誌、バイオケミストリー・アンド・セルバイオロジー誌において2015年6月16日に報告しました。

SCOPE Program Developed to Engage Communities in Preventing Childhood Obesity

http://www.cdnsciencepub.com/news-and-events/press-releases/PR-bcb-2014-0127.aspx

1日5種類以上の果物」「テレビ画面など1日2時間まで」など、一定のプログラムに沿った対策が、子どもの肥満予防に有効となるようです。

食べ物や運動に関するプログラム

研究グループは、コミュニティーが持続的に関与しながら子どもの肥満を予防していく、「スコープ(SCOPE)」と呼ぶプログラムの効果を検証しています。

スコーププログラムでは「ライブ5・2・1・0(Live 5-2-1-0)」と分かりやすく表現したポイントを抑えるところが特徴です。

「5」というのは、1日に5種類以上の果物を食べること。「2」はテレビほかディスプレーを見ている時間を1日に2時間だけにとどめること。さらに、「1」は、1日に最低1時間体を動かす。さらに、「0」は糖分を含まない飲み物を含めて健康的な食品を選ぶよう勧めるというものです。

「コミュニティー」の関与が必要

この研究によると、コミュニティーごとにプログラムに取り組んで、それぞれの成果から、良いところを取り入れることが重要となるようです。

子どもの肥満を防ぐために、周囲の強力に注目する動きが強まっています。最近では、小児科の医者と家族とが協力して、子どもの肥満の解消に取り組むと、医者だけが関与したり、電話でアドバイスしたりするだけの場合よりも、肥満を防ぐ効果が高いと報告されています。当然と言えば当然ですね。

さらに、両親の関心をいかに引き出すかも大切なのです。別の研究では両親は自らの子どもはたとえ太っていても、適正な体重と見なしがちだと判明しています。

肥満は欧米化や社会的、経済的な格差といった動きに伴って深刻化します(子どもの肥満、日本も「欧米化」と「格差」で要注意、を参照)。日本でも子どもの周辺の協力には関心を持っていく必要がありますね。

今回は肥満の研究ですが、近視予防にも同様のことが当てはまると考えます。食を含め、両親の近視進行原因への理解と介助は欠かせません!

 

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