専門医コラム
2015/09/28
多発性硬化症 腸内細菌の数に偏り!
視力低下などが起きる中枢神経の難病「多発性硬化症」の患者は、健常者に比べて特定の腸内細菌の数に偏りがあるとの研究結果を、国立精神・神経医療研究センター(東京都小平市)の山村隆・免疫研究部長らの研究チームが米科学誌プロスワンに発表しました。チームは「食生活の欧米化などによる腸内細菌の異常が、発症の原因につながっている可能性がある」としています。
掲載誌: PLOS ONE DOI: 10.1371/journal.pone.0137429
多発性硬化症と腸内細菌
多発性硬化症は、医療費補助対象の指定難病。免疫機能に異常が生じて脳や脊髄(せきずい)、視神経といった中枢神経に炎症が起こり、視力低下や手足のまひなどの症状が出ます。患者は20~40代の若い女性が多く、国内に約1万5000人いると推定されています。
研究チームは、30年前に1000人程度だった国内の患者数が年々増加してきたことや、欧米の白人に患者が多いことなどから、食生活と腸内細菌に着目。患者20人と健常者40人の便を調べました。
その結果、患者の腸内細菌の数は、19種類で健常者より大幅に少なく、約50分の1まで減っている細菌もありました。逆に、別の2種類では健常者より最大3倍弱多く、偏りが目立ったのです。山村部長は「腸内細菌の異常を是正すれば、発症を予防し、症状を改善できるかもしれない」とコメントしています。
個人的な見解ですが、腸内細菌の問題は眼科疾患に直結すると考えています。腸を始めとした内蔵の機能低下や亢進状態を、名古屋院のアムサットでは、服を着たままお手軽に17秒で測定出来ます。血液検査に出てこないような変化を捉えられる場合が多いのです! 腸内細菌を整えると、血液検査に出てこないような改善変化もアムサットで検出可能な場合が少なくありません。
眼科疾患でお困りの方は、ご自身のカラダの状態を確認される事をお勧めします!
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