米国眼科学会(AAO)は9月8日、眼の健康月間(Healthy Vision Month)に合わせ、加齢の影響から眼を守るために覚えておくべき5つのポイントを紹介しました。
1. 包括的な眼検診:基準となる包括的な眼検診を受ける。加齢に伴う眼の変化が起こり始める40歳になった時点が理想的。検査では、視力だけでなく老化に伴う眼疾患として一般的な緑内障や黄斑変性症の兆候についても確認してもらえる。いずれの疾患も早期からの自覚症状はない。その後も、54歳までは2-4年ごと、64歳までは1-3年ごと、65歳までには1-2年ごと、あるいは、担当眼科医が勧めるタイミングで眼科検診を受けるべきである。
2. 家族歴の把握:加齢黄斑変性症(AMD)、緑内障、白内障などの眼疾患は遺伝することがある。近親者にAMD患者がいれば、発症率は50%上昇し、緑内障も家族歴があれば発症リスクは4-9倍になる。担当眼科医に家族歴を知らせておけば、早期発見に役立ち、視力も守ることができる。
3. 禁煙:喫煙は白内障およびAMDの発症リスクを高める。間接的に眼の健康に影響する心疾患リスクも高める。ドライアイを刺激し、悪化させる。禁煙は、眼の健康に対する最高の投資になる。
4. 眼に良い食事:過去の複数の研究で、柑橘系の果物や植物油、濃緑色の葉物野菜、サケやマグロといった冷水魚が眼に良いことが示されている。
5. 数値管理:血圧や脂質や血糖高値は眼疾患による視力喪失リスクを高める。自分の数値を把握し、管理すること。
AAO臨床広報担当で総合眼科医のRebecca Taylor氏は、「最近の眼科治療の進歩によって、高齢でも従来より良い視力を保ちうると知っておくべきだ。ただしそのためには早いうちから健康習慣を身につけ、眼科医の診察を何度か受ける必要がある」と述べています。