専門医コラム
2016/04/01
近視や高血圧と緑内障の関連!
緑内障についてはコチラを参照下さい(→ 緑内障とは)。
進行すると視野が狭くなり、失明の原因となります。緑内障にも様々なタイプがありますが、そのうちの一つである "原発性開放隅角緑内障" と、ほかの健康状態が関連しているのか韓国からの調査報告が出されました。
原発性開放隅角緑内障になりやすい人の特徴とは?
原発性開放隅角緑内障は、緑内障の一部で、ほかの病気が原因ではなく、眼球の水分が流れ出す場所「隅角」が塞がっていない場合を指します。
今回の研究チームは、2008年から2011年までに行われた、韓国国民の健康調査よりデータを集めました。40歳以上の韓国人、13,831人のデータが分析に使われました。対象者は原発性開放隅角緑内障を持っている人と持っていない人に分けられました。2つのグループは比較され、原発性開放隅角緑内障と様々な要因の関連が調べられました。
近視や高血圧が原発性開放隅角緑内障と関連
その調査結果を以下にお伝えします。
多変量ロジスティック回帰分析では、この韓国人の集団において高齢(P<0.001)、男性(P<0.001)、高眼圧(P<0.001)、近視(P<0.001)、高血圧(P=0.031)、非過体重状態(P=0.017)が原発性開放隅角緑内障と有意に関連していました。
近視や高血圧を持っている人は原発性開放隅角緑内障になる人が多い事が報告されました。
今回の調査は、ある一時点でのデータを比較したもので、近視や高血圧が原発性開放隅角緑内障の直接的な原因になると断定することはできません。時間を追った経時的データで同じ関連があれば、近視や高血圧の人は緑内障になりやすいため注意すべきだという結論に近づけるかもしれません。
◆参照文献
Prevalence, Awareness, and Risk Factors of Primary Open-Angle Glaucoma: Korea National Health and Nutrition Examination Survey 2008-2011. Ophthalmology. 2015 Dec 30.
近視や高血圧と緑内障の関連が高い可能性があるということは以前から眼科医の間ではよく知られていました。はっきりと科学的に原因が確認されれいるわけではありませんが、当然といてば当然と考えます。何故なら、いずれの病気も全身のどこの部位も血液によって細胞が入れ替わり(代謝)我々は生きているからです。
血液が悪くなるとどうなるでしょうか?
当然、細胞の代謝に問題を起こすようになります。これが殆どの後天性の病気の原因です。現在、注目されていて女性誌でもスッカリ有名となった『活性酸素』! ”血液のサビ”、とも言われていますが、視神経の代謝に異常をきたし、日本人に多い正常眼圧緑内障の原因としても注目されています。
血液のサビ等で生体電流に異常を生じて、全身の内臓等の臓器や神経への負担が起こっている状態を、17秒でスキャンして "見える化” するのが名古屋院で人気のアムサットです。名古屋では当院にしか設置されていない器械ですので、一般には知らない方が多いでしょうが、厚生労働省認可医療機器で、もともとは宇宙空間で宇宙飛行士の健康チェック目的で開発された精度の高い全身スキャナーです。血液検査等でも異常が発見されない "未病” 段階での身体のどこに異常が生じているかを検出する能力が高く、緑内障の方では内臓の機能低下が認められることが多いのです。
近視の発症原因と、緑内障の発症原因が同じだとすると、発症年齢が異なるだけでお互いの関係が深いことは当然とも言えると考えます。