専門医コラム
2016/04/16
目の病気へのアンチエイジング・アプローチ! ドライアイから近視まで
眼科分野でも近年は抗加齢治療が眼疾患の予防、治療に重要であると認知されつつあります。
緑内障、加齢黄斑変性症、ドライアイなどの眼疾患の90%以上が加齢によって発症が増えることが分かっている加齢関連疾患です。
網膜色素変性症や強度近視など、遺伝素因が報告されていますが加齢に伴い症状が進行することが知られており、やはり加齢関連疾患と言えると考えます。
ドライアイは加齢疾患!?
最近の研究で、ドライアイは単なる目の乾きではなく、身体全体に関係する加齢疾患であることが分かってきました。
マウスでの実験で、酸化ストレス(喫煙、水銀暴露など)を増大すると涙液分泌が減少することが分かってきました。酸化ストレスが加齢との関連が深いことはよく知られています。身体を酸化させない、錆びさせないことがドライアイ治療につながると言えます。当院での、高濃度ビタミンC点滴治療を行った6割で涙の分泌増加したことも酸化ストレス軽減がドライアイ治療につながる可能性を示唆しています。
酸化対応は加齢対応ともなり、当然多くの眼や全身疾患にも有効な治療となります。
”腹七分目” でアンチエイジング!
別のマウスの実験で、カロリー制限を行うと( ”腹七分目” など、満腹にしないこと)、涙液分泌が増えることも研究報告されています。
1日3食摂ることが消化器への負担を増やし、免疫力低下につながることもこれまでにお伝えしました。動物実験でもドライアイを始め、寿命が延びる等、カロリー制限の有効性が証明されています。( → 病気にならないコツ! 人は食べなくても生きられる!? )
近視進行抑制もアンチエイジング!?
残念ながら小学生でもドライアイの患者さんが増加の一途です。子供のうちから身体の酸化が進んでいるという一つの証拠と考えます。
ドライアイに限らず、アトピー、喘息等、免疫力の低下を示す証拠は事欠きません。
ヒヨコの近視作製モデルの応用実験として、抗加齢治療に用いられる薬剤を投与することで近視の抑制効果が期待される結果も出てきています。
近視と加齢、ピンとこないかもしれませんが、近視の出現・進行は "加齢" が若くして起こっていることのサインなのかもしれません。