専門医コラム
2016/05/19
眼と”肝” この重要な関係ご存知ですか?
皐月病は乗り越えても、そろそろ新生活に慣れた頃、眼精疲労を感じる方も多いのではないでしょうか?
春も終わりに近づきましたが、東洋医学で「春」は「肝臓」の季節と言われています。
「肝臓」はお酒を飲まなくても負担を蓄積することがあり、未成年の方でも「肝臓」が弱っている方はお多いのです。放置すると近視の進行にも繋がります。
肝臓は“沈黙の臓器”ともいわれる通り、不調を感じるころにはすでに手遅れとなる場合も多いので注意が必要です。
西洋医学での臓器としての肝臓と、東洋医学の機能としての肝臓では若干意味が異なります。細かなことをいうと分かりにくくなりますので、今回はほぼ同じものとして解釈いただいて結構です。
身体や顔を観察することで健康状態を 診断する望診法では、「肝臓」の状態は「目」によくあらわれると考えられています。これは、中医学の「目は肝臓に蓄えられた血の栄養によって働く」という考えに由来しているもので、実際目のトラブルの多くには、保険診療では殆ど指摘されませんが肝臓が関係していると思われます。
眼科的症状とその原因
1】外のちょっとした風や寒さで涙がでる
肝臓が弱り始めています。甘いものや果物など、水分の多く含まれるものを食べすぎているのかもしれません。
2】目が疲れやすい・光がまぶしい
睡眠不足や飲酒などによって、肝臓が疲れています。最近では、パソコンや携帯画面を長時間見るなどの、外的な要因も考えられます。
3】目が充血する
油ものや甘い食べ物・飲み物のとり過ぎによって毛細血管が広がりすぎているか、目の疲労や精神的なストレスによって、血行が悪くなっています。疲労の場合には、目を温めるなどして血流を促しましょう。
4】黒目の上側に薄い膜がかかっている
動脈硬化の兆候です。通常は加齢によっておこりますが、最近では20代でも多くみられる症状です。
5】白目の中にまっすぐな血管が浮かぶ
事故後や術後にたまにみられる症状で、血管や筋肉などに歪んだ部分があるというサインです。
6】ものもらいができる
体の抵抗力が落ちているために、細菌が侵入して炎症を起こしています。また、胃腸の弱い人にもよく見られる症状です。通常は大丈夫なのに、軽く目をこすっただけで出来やすくなったりします。
こうした症状にどのように対応するか、次回のコラムでご紹介します!
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