専門医コラム

2016/07/19

ビタミンC! 吸収力を高めるコツとタイミング②

ビタミンCの摂取量はどのくらい必要?

厚生労働省によると、ビタミンCの推奨量は、

① 12歳以上から成人まで、1日あたり100mg。

② 妊娠中の場合は、それよりも10mg多い110mg。授乳時期にはさらに45mg増やして、145mg。

③ 喫煙者は35mg増の135mg

だということです。また、ビタミンCの摂取上限量は、1日あたり1000mgとされています。

ビタミンCが欠乏すると?

例えば、ビタミンCを全く含まない食事を約60~90日間続けた場合、体内のビタミンCの蓄積総量が300mg以下となり、出血性の病である「壊血病」の発症につながります。

また同程度の欠乏状態になると、老化現象の進行にも!

1日に2.5mg以下のビタミンCの摂取期間が3年間続くと、さらに老化が進行し、死亡する場合があると報告もされています。

1日に手のひら片手分(80gほど)の野菜や果物は、最低でも摂取することが推奨されます。

ビタミンCが過剰になると?

体内で吸収しきれなかったビタミンCは、尿中に排泄されるので健康な場合においては、(1~2mg程度までなら)特に問題はないということです。

しかし、数gレベルを一度に大量に摂取し、腸管での耐容量を超えてしまうとお腹が張ったり、下痢を起こす場合があるとのこと。

鉄分を蓄積してしまう病気のある人の場合は、ビタミンCが鉄分の吸収率を上げてしまうため、注意が必要です。

シュウ酸塩の値の高い人の場合も、尿路結石の予防の面から摂取量にはご注意ください。

また、人口透析を受けている場合、ビタミンCの摂取量は医師の指示が必要となります。

ビタミンCを多く含む食品は?【野菜編】

ビタミンCは、どんな食品に多く含まれているのでしようか?  まずは、野菜から見ていきましょう。

1位・パプリカ(赤・黄)

ピーマンやパプリカには、全体的にビタミンCが多く含まれていますが、特に赤いパプリカにはその含有量が多いということで、1/3個分で1日の必要量を摂取できるほどです。また、黄色いパプリカにもほぼ同程度のビタミンCが含まれています。

【100gあたりの赤パプリカの成分】

・エネルギー   30キロカロリー

・たんぱく質   1.0g

・炭水化物    7.2g

・脂質      0.2g

・食物繊維    1.6g

・ビタミンE   4.3mg

・ビタミンC   170mg (黄パプリカでは 150mg)

・その他

パプリカを100g食べれば、それだけで1日分のビタミンC摂取量目安の100mgを大きく超えられます。また、抗酸化作用の相乗効果の高い、ビタミンEも豊富に含まれているので、サラダなどにして、積極的に取り入れたい野菜ですね。

2位・パセリ

パセリはお料理の飾りに使うものと、思っていませんでしたか? 実は、とっても栄養価の高い野菜だったのですね。私は必ずパセリも残さず食べるようにしています!

【100gあたりのパセリの成分】

・エネルギー    44キロカロリー

・たんぱく質    3.7g

・炭水化物     2.8g

・脂質       0.7g

・食物繊維     6.6g

・ビタミンC    120mg

・鉄        7.5mg

・カルシウム    290mg

・その他

なんとパセリ100gには、120mgものビタミンCが! また、多く含まれている鉄分の吸収率も良くなるので、貧血予防にも効果的です。カルシウムの含有量も見逃せません。

 

3位・芽キャベツ

芽キャベツは、キャベツの子供ではありません。キャベツの仲間を品種改良したもので、長い茎にびっしりと生えた直径2~4cmほどのわき芽なのです。見た目は、ミニチュアのキャベツのようで可愛らしく、料理の付け合せやシチューなどに利用されることが多い野菜です。

【100g中の芽キャベツの成分】

・エネルギー   50キロカロリー

・たんぱく質   6g

・炭水化物    4.5g

・脂質      0.1g

・食物繊維    5.5g

・ビタミンC   160mg

・その他

芽キャベツを5~6個食べるだけで、1日分のビタミン所要量を摂取することができます。また食物繊維も多く含みます。

付け合わせやシチューの具だけでなく、炒めたり、あえ物にしたり、漬け物にしたりと幅広く活用したい野菜ですね。

4位・にがうり(ゴーヤ)&ピーマン

代表的なゴーヤ料理では、沖縄料理で有名な「ゴーヤチャンプルー」がありますね。ゴーヤの独特な苦味は、「モモルデシン」という成分で、胃腸の粘膜を保護したり、食欲を増進する効果があるそうです。

その上、ゴーヤに含まれる豊富なビタミンCは、加熱に強い性質があるので、炒めても壊れにくいのです。まさに、暑い沖縄にピッタリな野菜です!

【100gあたりのゴーヤの成分】

・エネルギー    17キロカロリー

・たんぱく質    1.0g

・炭水化物     3.9g

・脂質       0.1g

・食物繊維     2.6g

・ビタミンC    76mg

ピーマン(緑)にも、同量のビタミンCが含まれています。ゴーヤと一緒に炒めもの料理にするのも、相乗効果が期待できるかもしれませんね!

5位・レッドキャベツ

紫キャベツとも呼ばれている、レッドキャベツにはその色からも分かる通り、ポリフェノールの一種である「アントシアニン」が含まれていますアントシアニンには、強い抗酸化作用があります。また、胃や十二指腸などに対する抗潰瘍作用のある「キャベジン」という物質も豊富だということです。

とんかつにキャベツの組み合わせにも、ちゃんとした意味があるのです。

【100gあたりのレッドキャベツの成分】

・エネルギー   30キロカロリー

・たんぱく質   2.0g

・炭水化物    6.7g

・脂質      0.1g

・食物繊維    2.8g

・ビタミンC   68mg

・その他

レッドキャベツは、茹でたりするとアントシアニンが水に溶け出してしまうので、生のままサラダなどで食べるのがおすすめです。

5位以下の野菜は?

その他、こんな野菜にもビタミンCが多く含まれています。5位以下の野菜と100gあたりのビタミンC含有量です。

6位・モロヘイヤ    66mg

7位・しし唐辛子    57mg

8位・ブロッコリー   54mg

9位・カリフラワー   53mg

10位・かいわれだいこん 47mg

いよいよ梅雨が明けましたが、これからの暑い日々、夏バテ予防の参考にしてくださいね!

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