専門医コラム
2016/09/13
「スマホ老眼」対策、子どものうちから必要!
「老眼」は40代くらいから、目の調節力が落ちてきて、近くが見えにくくなる悩ましい目の問題ですね。その対策は子どものうちに、早い時期から考えた方がいいのかもしれないという研究報告です。
目とスマホの関係
最近の生活の中で大きな時間を取られているのはスマートフォン。1日、肌身離さず持ち歩き、暇があれば眺めている人も多いでしょう。目への影響が特に気になってくることと思います。韓国の中央大学校が、子どもの眼科分野の専門誌ジャーナル・オブ・ペディアトリック・オフサルモロジー・アンド・ストラビスマス誌2014年3-4月号でちょっと気になる報告が掲載されました。この研究グループが注意を促しているのは、スマートフォンをはじめとして小さなディスプレーを眺めていて起こる子どものドライアイです。
ドライアイを持っている?
研究グループは、288人の子どもを対象として、ドライアイのある28人とドライアイのない260人に分けて、目の検査結果のほか、スマートフォンのような小さなディスプレーを眺めている時間をはじめとした普段の生活、目の症状について比較しました。ここで差が見られたのは、スマートフォンの利用の有無でした。ドライアイのある子どもは、そうではない子どもよりもスマートフォンをより多く使っていると分かったのです。スマートフォンを眺めている時間が長くなるほど、ドライアイの可能性が高くなるという結果です。特筆すべきはスマートフォンだけ影響していたという点です。なぜならコンピューターやテレビについてはドライアイとは関係していなかったとの結果だからです。
小さな画面をずっとのぞくところに問題があると考えられますが、研究グループは、子どものころからのスマートフォンの利用には注意が必要と説明しています。
またドライアイに効果的な治療、対応は以下の動画をご覧ください。
目の疲れは老眼のもと?
日本眼科学会の説明によれば、ドライアイは、失明のような深刻な影響はないながらも、慢性的に目の疲れを起こすので注意が必要とのこと。目の疲れやすさはひいては老眼とも関係します。40代よりも若い段階で目の調節力の低下につながるとすれば見過ごせません。いわば「スマホ老眼」という状態の確認もお勧めします、
<文献情報>
Predictive value of screening tests for visually significant eye disease. - PubMed - NCBI