専門医コラム
2017/01/19
命がけで餅を食べる? 高齢者の搬送高水準!
毎年お正月の恒例行事化している「餅の事故」! 今回は産経新聞の記事(平成29年1月3日付)から以下引用してご紹介します。
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新年を迎え、初詣や初せりなど、おめでたい話題が尽きないお正月。一方では高齢者がお餅をのどに詰まらせ、救急搬送されるニュースが後を絶たない時期でもある。消防は毎年注意を呼びかけているが、依然として高水準で推移している。確かに、お雑煮の中で白く輝くお餅はおいしい。のりやしょうゆとの相性も抜群だ。そうだとしても、なぜ危険を冒してまで日本人は餅を食べるのだろうか。
搬送9割が65歳以上
東京消防庁によると、平成23年~27年までの5年間に、餅や団子をのどに詰まらせて救急搬送されたのは562人。年間100人前後で推移しており、65歳以上の高齢者が約9割を占めた。
月別に見ると、最も多いのはもちろん1月で223人。次いで12月が69人。28年は1月1日~3日の三が日だけで19人が搬送され、男女2人が死亡した。いずれも80歳以上の高齢者だった。
食べ物を飲み込む力は、高齢になると低下するといい、餅をのどに詰まらせやすくなる。同庁は(1)餅は食べやすい大きさに小さく切る(2)急いで飲み込まず、ゆっくりとかんで飲み込む(3)乳幼児や高齢者と一緒に食事をするときは、注意を払う-などと注意を呼びかけているが、もし、詰まってしまったらどうしたらいいのだろうか。
「呼びかけて反応がある場合は、できる限りせきをさせる。それもできない場合は、ためらわずに救急車を呼んでください」(同庁担当者)。
応急手当てとして有効なのが、背中をたたいて詰まった食べ物を吐き出させる「背部叩打法」と呼ばれる方法だ。手順は東京消防庁のホームページなどで紹介されているので、いざというときに備え、応急手当てや心肺蘇生(そせい)の方法をあらかじめ確認をしておくことが必要だ。
年間16個食べる日本人
総務省の家計調査によると、平成27年の日本人の餅の購入量は一人当たり平均で約800グラム。一般的な切り餅(約50グラム)に換算すると、16個食べている計算だ。高齢者の方が購入量が多く、70歳以上では一人当たり平均約1350グラムで、27個にもなる。
なぜ、日本人はこんなにもお餅を食べるのだろうか。そこには、稲や米をとても大切なものだと考える日本古来の思想が根底にあるようだ。
お正月の縁起物の代表格とも言える「鏡餅」。日本鏡餅組合によると、古くから年に一度収穫されるお米は人間の生命力を強化する力があると考えられており、その力は米を醸造したお酒や、固めた餅にすることで、倍増すると考えられていたという。餅は、それだけで日本人にとって神聖な存在なのだ。
平安時代に紫式部によって書かれた源氏物語には、宮中の正月行事で新年の健康と長寿を願う意味で、丈夫な歯を連想させる硬い鏡餅が供えられたという記述もあるという。
考えてみると、お正月以外にも、子供のお食い初めで餅を噛ませたり、初めての誕生日に一升餅を背負わせたりする習慣や、ひな祭りのわらび餅、端午の節句の柏餅など、日本では人生の節目節目に「餅」が登場する。健康に成長し、年を重ねることの幸せ、ありがたさ-。日本人にとって、その象徴が餅なのだ。
いくらのどに詰まらせる可能性があるといっても、「お餅を食べなければお正月ではない」というお年寄りがいるのも、うなずける。
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いかがでしょう? 皆さんはこのお正月に何個餅を食べましたか?
特に60歳以上の方で「喉に餅を詰まらせる」確率が急に高くなるそうです。
簡単な対応は小さくして口に含んで『よく噛む』ことです。早食いでよく噛まずに飲み込むと、どうしても喉に詰まりやすくなりますから! そうでなくてもよく噛むことは身体にとって重要なことです。
よく噛むことが、目への合併症予防にもつながると思われます。何故か? 理由は次回のコラムでお伝えする予定です。
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