専門医コラム

2017/01/24

ストレートネック(スマホ首)と骨盤

前回はストレートネックを改善するストレッチ、体操をご紹介しました。今回はストレートネック対策に骨盤の重要性をお伝えいたします。

ストレートネックの原因になる骨盤が前に出た姿勢

首の異常の治し方を知るには、『木を見て森を見ず』 という考えが必要です。すなわち、身体全体を「診る」必要があります。症状が出ている局所に焦点を当てても原因が見つからず、部分的な対応では根治治療に繋がりません。

ストレートネック(スマホ首)は、首だけの問題ではありません。原因として、骨盤のゆがみが潜んでいる場合が多いです。

尚、以下の図は全て「ストレートネックどっとこむ」より転載させていただきました。

正常な背骨

正常な背骨ライン

(「ストレートネックどっとこむ」より)

正常な背骨は、横からみたとき綺麗なS字をしています。

  • 首 … 前に湾曲
  • 背中 … 後ろに湾曲
  • 腰 … 前に湾曲
  • 骨盤 … 軽く前傾

耳の前、肩、股関節、くるぶしの前 が一直線に並び、背中が若干お尻より前にでるのが正常で、正しい姿勢です。

ゆがんだ背骨

 ストレートネックの場合、よく見かける背骨のゆがみ方。

  • 首 … まっすぐ、もしくは後ろに湾曲
  • 背中 … 後ろに湾曲が増大(猫背)
  • 腰 … 前に湾曲が減少
  • 骨盤 … 軽く後傾し、前にでる

お尻が下がった状態になり、骨盤(お尻)が背中より前にでてきて、ぽっこりお腹になる。背中が丸くなるので、そのバランスを取ろうとし、顎が前に出てくるのです。

骨盤が前に出て反り腰になってしまう原因

日常生活の些細な姿勢の積み重ねが骨格(骨盤)にゆがみをつくります。

子どもを抱っこするとき、荷物やカバンを持つとき(ウエストポーチ)、お財布からお金を取り出すときなど、を骨盤や下腹部で支える(ひっかける)癖がありませんか?

また、立った状態でスマホを見たり、本や雑誌を見るときというのは、うつむき姿勢になります。このうつむき姿勢をとったとき、首とのバランスを取ろうとして → 背中が後ろに傾け → 腰が反り → 骨盤が前に出てしまうのです

体幹の筋力が弱い人に現われやすくなします。

スラウチな姿勢

デスクワーク、パソコン作業時の悪い姿勢 ~スラウチ姿勢~

すべてのストレートネックは猫背や片巻猫背に起因しています。

スラウチ姿勢をご存知ですか?  スラウチ(slouch)とは、『前かがみになる』という意味です

スラウチ姿勢

顎を前に突き出した猫背の姿勢です。姿勢を気をつけようとしても、椅子・机の高さが体にあっていないとおこりやすくなします。床にあぐらをかいて座った場合では、特にこの傾向になってしまいます。

デスクワーク、パソコン作業時の正しい姿勢

デスクワークの正しい姿勢

背骨が綺麗なS字をえがく座り方が理想です。

  • 椅子が高く足が地面にとどかない場合は、足の下にフットレスト(足のせ台)をおく
  • 目線はやや斜め下で、軽く顎を引き、ディスプレイから40cmくらい間隔をとる
  • 肘をかるく椅子のアームレストに置き、腕を支える。
  • テーブルの場合は、お尻に座布団などを入れて腰を少し高くして座ります。

足を組むことは厳禁です。

体幹の筋力が弱いと正しい姿勢が保ちにくくなります。体幹を鍛えるのに便利なのが腹式呼吸です。正しいやり方で「多裂筋」「横隔膜」「腹横筋」「骨盤底筋」を同時に鍛えることができます。

体を安定させる筋肉

腹式呼吸や綺麗な姿勢を保つために必要な筋肉についてご説明します。

体幹が安定し、正しい姿勢を取るためにはコア(インナーユニット)が安定している必要があります。これは、ストレートネックや首の痛み、手のしびれがある場合も同じです。

インナーユニットとは、横隔膜(おうかくまく)、腹横筋(ふくおうきん)、多裂筋(たれつきん)、骨盤底筋群(こつばんていきんぐん)の4つの筋肉をさします。

コアとは「核」のことで広義では、深層筋(深部にある筋肉)を意味しますが、狭義では上記のインナーユニットと同じ4つの筋肉を意味します。

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