専門医コラム
2017/01/28
目の老化 5つのポイント スマホ注意!
前回お伝えしたように身体の中で最も活動的に動いている筋肉は、腕や脚の筋肉ではなく目の筋肉です。目には動いている部位が200万個以上もあります。毎時間3万6000種類もの情報を処理する能力があると言われているのです。これほど、無意識のうちに目はよく働いてくれいます。
これ程、働き者の「目」! 当然、”老化” は要注意です。
目の老化には「涙の分泌量と質の低下」「血管の硬化」「毛様体筋の衰え」「水晶体の変化」「網膜の劣化」と、大きく5つのポイントがあります。今回はこの中で、「涙の分泌量と質の低下」「血管の硬化」についてお伝えします。
1)涙の分泌量と質の低下
涙の分泌量や質の低下が加齢によって引き起こされると、いわゆるドライアイとなって、目の乾き、異物感、痛み、疲れなど、目の不快な症状を招きます。ドライアイの治療対応については当院のドライアイのページをご参照ください。
涙には目の表面を潤して保護するだけではなく、目の表面を構成している角膜や結膜に栄養を供給する大切な働きがあります。
通常は、1分間に20回程度、すなわち3秒に1回程度まばたきをしています。しかし、加齢でなくともスマホやパソコン画面を凝視しているとまばたきの回数が減ります。極端に減ってしまうとドライアイが進行してしまいます。ドライアイを悪化させる他の要因は、コンタクトレンズの装用、睡眠不足、ストレス、エアコンの長時間使用による乾燥などが挙げられます。しかし一番重要なことは、血液の酸化を進める食を中心とした生活習慣です。
ドライアイが生じて目に負担もかかりますが、ドライアイを起こした原因そのものが身体の老化にも繋がっているはずです。
ドライアイが生じているということは、身体の老化進行の一つのサインと捉えてください。そのため、最近では小学生からドライアイを起こしている子供さんが増えてきており、ドライアイの低年齢化、すなわち「未成年の老化進行」を私は危惧しています。
2)「血管の硬化」が目の機能を低下させる
目の老化のポイントの2つ目は、酸素や栄養を届ける血管の硬化です。高血圧、糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病が原因となり、血管の動脈硬化が進行すると、目に対する血流が減って酸素不足や栄養不足となり目の機能低下が生じます。「身体は血管とともに老いる」と言われています。
多くの場合、残念ながらドライアイと合併しています。
なぜなら原因がともに「血液の酸化」という点で一致することが多いためです。血液の酸化が身体の病気の大きな原因であることはこれまでもお伝えしてきました。
これらの改善・治療には、毎日の水と食を中心とした生活習慣管理がとても大事なのです。我々は食べたもので出来ているからです!
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