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多焦点眼内レンズが進化し、実用化されています。
そのおかげで従来の単焦点眼内レンズでは得られなかった、多くのメリットが生まれました。近視、遠視、老眼、乱視も治り、メガネなしで「遠く」も「近く」も裸眼で見える快適さです!
多焦点眼内レンズは高価なものであるため、見え方への期待が高くなります。
しかし、多焦点眼内レンズも、遠くも近くも良く見えている20歳のような見え方になるわけではありません。単焦点レンズに比べると満足度は高いのですが、その方が術前の予想している見え方より、術後の見え方が悪いようであれば不満を感じる場合もあります。
私は、「40歳を過ぎて老眼の自覚が始まったあたりの状態に戻る視力回復」とお伝えしています。
ただし、近視の強い方では近視が治るという大きな利点があります。そのため、40代の方でも、老眼進行の早い方や近視の矯正がメガネやコンタクトではスッキリ見えなくなった場合には多焦点眼内レンズをお勧めすることがあります。
ひとりひとりの生活スタイル、性格も満足度に影響する場合があります。
そのため患者さんの目の状態によってレンズの選択は異なります。
まずは眼内レンズの選択に必要な検査行います。その結果、多焦点眼内レンズが合っているかどうかを判断して頂きます。
担当医およびスタッフからの説明をお聞きいただき、ひとりひとりの希望を伺いながら眼内レンズの選択を行います。
以下、ご自身に該当がないかセルフチェックをして下さい!
・多焦点眼内レンズの性能以上に、術後の見え方に過度な期待を持っている
・レンズが高額だからすべてに優れているという誤解
・性格が繊細でちょっとした事も気にしてしまう(視力数値や手術の成功率などが気になる人は要注意)
・近くを見ることを余り必要としていない
・夜間の運転が多い
・精密な近方作業を行う
・白内障以外に視力に影響を及ぼす眼疾患がある
生活スタイルは一人ひとり様々ですので、上記のようなポイントを十分に検討したうえで多焦点眼内レンズを選択ください。
例えば、視力に影響をおよぼす眼疾患を合併している場合は、多焦点眼内レンズを挿入してもその性能が十分に発揮できない可能性があります。例えば、緑内障による視野障害、黄斑変性症などの網膜硝子体疾患、角膜混濁がある場合などです。
これらの疾患があっても、多焦点眼内レンズを使用した方が良い場合も多いので一概には適応外とは言えません。しかし、担当医やスタッフとの十分な相談をお勧めします。
また、眼鏡をかけることに抵抗ないご高齢のかたの場合、高額な多焦点眼内レンズを無理に選択しなくても大丈夫です。特に80歳以上では、従来の保険適応の単焦点眼内レンズでも、過去に手術された方たちでは十分満足されていることが多いのです。この世代の方々では、すでに老眼鏡や遠近両用メガネに慣れている場合が多く、対費用効果的に単焦点眼内レンズを私は第一にお勧めしています。
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