専門医コラム

2017/05/07

糖尿病網膜症 糖尿病治療の注意点

糖尿病網膜症の治療のためには、その基礎疾患である糖尿病の治療が不可欠です。糖尿病になったから「3大合併症の一つである糖尿病網膜症」が起こるわけですから当然ですよね。

しかし、血糖値という数字ばかりに囚われて糖尿病の本質を理解していないと、薬に頼るだけの治療ではむしろ3大疾患を起こしてしまいます。多少、血糖が高めなだけであれば薬を使わない方が3大合併症を起こさない事も知られています。

薬の使い方次第では、その薬で糖尿病網膜症を引き起こしてしまう場合があるのです。

糖尿病治療の真の問題

① 薬で、弱った膵臓にムチを打ち疲弊させてしまう

② 薬でインスリンを無理やり増やすことで、体内の中性脂肪、過酸化脂質を増やしてしまう

③ 治療により低血糖を引き遅してしまう

④ 治療によって病気をつくってしまう

血糖値を下げる治療を行うことで、実際は膵臓をより一層疲弊させてしまう、低血糖を起こす、中性脂肪を増やし過酸化脂質へと変化する、体内ではこのような反応が起こっているかもしれません。

その結果、3大合併症に繋がり、治療をすればするほど改善が難しくなっていく、内科的治療で患者さんにもよく理解をしておいていただきたい点です。糖尿病コントロールを、血糖値だけにこだわり糖尿病網膜症を引き起こしてほしくはありません。糖尿病網膜症は失明原因の上位疾患だからです。一度、糖尿病網膜症で視力を失うと、回復はまず期待できません。

中性脂肪、過酸化脂質の増加の恐ろしさ

薬で無理やりインスリンを分泌させると膵臓や細胞を疲弊させるだけではありせん。

炭水化物などをたくさん摂取すると、血糖値が上がることは理解いただいていると思います。それを下げようとして膵臓はインスリンを分泌します。インスリンが多量に分泌されると、それに応じた大量のブドウ糖が身体のあちこちの細胞に取り込まれることになります。ここで、必要以上に細胞にブドウ糖を「押し込める」ことは、細胞にとっては大きな負担となるのです。細胞のダメージ、引いては3大合併症に繋がります。

細胞内に取り込まれたブドウ糖はエネルギーや体温、コレステロールの材料として使われます。しかし、取り込まれた大量のブドウ糖が使い切れないと、体内に残りたまってゆきます。

消費しきれずに体内にたまってしまったブドウ糖はどうなるのでしょうか?

残ったブドウ糖はインスリンを使って中性脂肪に置き換えられます。そして脂肪細胞へためこまれます。この先が問題です。

余ったブドウ糖を中性脂肪に替えて脂肪細胞の中にとどめておくのも限界があります。脂肪細胞が持ちこたえられなくなると、たまった中性脂肪が体内で放出されてしまいます。体内に油をぶちまけた状態、と言うと分かりやすいでしょうか?

この段階になると、身体のなかは脂肪だらけでドロドロになってしまいます。もちろん血液もドロドロ! 血管のなかもドロドロですから、血栓が出来たり、血流が抑制された状態が引き起こされます。血糖値が高い状態が長く続くと起こっているのです。しかし、薬が副作用として血糖降下と引き換えに体内のドロドロを加速させているとしたら!?

さらにたまった中性脂肪が酸化して、過酸化脂質に変わると危険です。酸化物質というのは、多くの場合、身体に悪影響を及ぼします。酸化した脂肪、過酸化脂質は、細胞内でエネルギーを作り出しているミトコンドリアを傷めつけてしまうのです。

ミトコンドリアがやられてしまうと細胞は死に至ります。3大合併症の大きな原因です。

さらには生命維持能力が著しく低下してしまうのです。ここに糖尿病の恐ろしさが潜んでいます。

一時的な血糖値の高値より薬の負荷が問題!?

血糖値が高いことが長期に続けばもちろん問題です。しかし、薬で無理やりインスリン分泌を増やして必要以上のブドウ糖を無理やり細胞に取りこませてしまう恐ろしさを理解いただけましたでしょうか? 当然ですが原因となった、「食」の対応、運動療法を併用して、薬に頼らないようにするべきです。

多くの患者さんが理解されていないでしょうし、治療現場でも詳しく説明されていない部分かと思います。

糖尿病網膜症の治療にとっても、大切なポイントだと考えています。

https://youtu.be/R06a9vp-aSM

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