専門医コラム

2020/11/05

紙カルテ保管システム「かるても」リリース!

小栗はこれまで色々な角度から医療現場で活用できるソフト開発を進めてまいりました。

今回新たにまとまった創案が出来たため、現在、医療現場で大きな問題となっている「新型コロナウイルス感染」で経営的なダメージを受けている医療機関に廉価で「使える」システムを提供したいと考えて紙カルテ保管システム「かるても」をリリースしました。

具体的には、現在医療機関で導入されている既存の電子カルテと紙カルテのそれぞれのデメリットを補う形で、紙カルテを電子化してクラウド保管し、パソコン端末はもちろん、タブレット端末、必要に応じてスマーフォン端末でも患者さんのカルテを検索、閲覧可能なシステム「かるても」の実用化です。

多くの医療機関に採用されることになれば、かなりの医療現場の効率化と経費削減に繋がることと思われます。

 

【電子カルテ、過去から現在の状況と将来の見通し】

 電子カルテの普及が始まって15年ほどが経過しました。

 当初はインターフェイスのとりつきにくさや、パソコンへの抵抗もあり普及が順調に進んでいるとは言い難い状況でした。しかしながらiPhoneに代表されるスマートフォンの普及に伴い、端末で文字を入力することには一般の方が慣れてきています。また、iPadをはじめとしたタブレット端末の普及に伴い、データを持ち運んで小画面で閲覧することにも抵抗がなくなってきました。

 このため、今回開発にあたる「かるても」は、これまでの電子カルテのコンセプトは異なり、①手書きの利点は残す ②紙カルテを持ち歩くがごとく、タブレット端末で一人ではなく多くの方のカルテを同時に持ち歩き閲覧ができる ③クラウドベースの保管システムを導入することで、遠隔診療にも対応が可能となる ④可能な限りキーボードは使用しない前提 での開発を目指し普及を図りたいと考えました。

 このシステムを導入することで、業務効率化を進められるため、医療に限らず、顧客データの保管・検索を効率的に行いたい業務、例えばエステ、スポーツジム、塾、各種習い事などにも応用して使用いただくことができます。特に過去の紙ベースデータが多く残されている業態には重宝することと考えます。

 

【従来の電子カルテシステムに比べて優れている点】

① 開発者ベースではなく、現場ベースでの製作が可能

 多くの電子カルテはレセプトコンピューター製作企業がカルテ部分の電子化を進めてまいりました。そのため、現在でもカルテの入力に関しては満足の行くレベルには達していません。特に外来が混雑する傾向の、眼科、耳鼻科、皮膚科などは一時間に20人の患者さんの診察を行うためには、現在の電子カルテでは対応が難しいのが現状です。

 一人の患者さんを平均三分で対応するとなると、医師に無駄なストレスを与えないシステムが要求されます。

 小栗は眼科臨床医であり、こうした臨床現場の状況をだれよりも理解しております。また、開発には現場の看護師、検査員、受付・会計事務員の生の声と要望をリアルタイムにとらえることができます。

 そのため、これまでの電子カルテの利点、欠点を取り込みながら、少しでも現場の作業の負担にならないよう、だれでも容易に使ってもらえるシステムを設計しました。

② 医療現場からの要望を最大限反映させます

 医療の電子化に必要なことを、現場ベースで取り入れていきます。システムを複雑化することなく、紙カルテは残しながら現場の効率化を進められる「カルテモ」は多くの施設に受け入れられることと期待しています。

③ 経費をかけられない多くの開業医目線で開発します

 全国の医院の大半は院長ひとりで診療にあたっている開業医です。経営規模も小さく、システム一式1000万円もの電子カルテシステムは経営負担が大きく、経営圧迫の要因ともなりかねません。この電子化に要する費用は、完全に自院での金銭的負担で導入することになり、今回の新型コロナウイルス感染不況が無くても簡単には導入には踏み切れないのが現実です。

 また、紙カルテの保管には「見えない経費」がかなり生じています。

 一例として医療法人弘鳳会を例にとると、現在、以下の写真のようなカルテ棚が事務室に5本、古いカルテをしまうために保管庫にさらに2本設置されています。

 一本当たりの設置面積が縦横 2x1.5 m= 3㎡ は必要となるため、7本の保管スペースとして 約21㎡ (6.4坪)は「家賃を支払っている」状態です。約6坪を、他の検査スペースや処置室などに転用できると、これは医院にとっては大きな経営メリットとなります。都市部ですと、賃料が高額であることは良く知られています。東京の都心部では坪5万円も珍しくないのですが、例えば医療法人弘鳳会の名古屋院では栄のテナントビルの賃料が坪2万円(月額)ほどですので、カルテスペースに6坪使うとなると、これだけで月12万円の経費(家賃)をカルテ保管に要していることになります。

 今回の「かるても」導入で、この「家賃」が大きく削れることになります。その家賃分でかるてものメインテナンス費用を支払ったとしても、大きな経費削減が期待されます。また、カルテそのものは収益を生みませんが、空いたスペースを新しい検査等に活用すれば医院経営にはプラスになることでしょう。

④ 最新バージョンが導入されます

 これから実際の開発を始めるため、まだ確実ではありませんが、ソフト部分は既存のアプリケーションを活用して取り入れる予定です。タブレット端末をメインに「持ち運び」を考えておりますので、例えばアンドロイド端末を使うとなると様々なソフトが自動でバージョンアップされ、常に最新の状態で使用いただくことができます。

 これまでの電子カルテでは、ソフトのバージョンアップが定期的に行われていたとは言い切れず、5年後には新しいシステムを再購入が必要となるなど、導入後も予定外の高額費用が発生することが一般的でした。5年ごとに500万円ほど更新負担が発生するようなイメージでした。

 

【利用者から評価されるか】

 ①紙カルテは継続したいので、完全な電子カルテ化には抵抗がある ②電子カルテを導入したが、現場での作業効率が悪化した ③電子カルテを導入するも、これまでの紙カルテはそのままで場所だけ保管のために占拠されている といった、既存の電子カルテ導入で問題をかかえた施設には十分なメリットを出せることと思います。

 電子カルテと、紙カルテのそれぞれのデメリットを補うことができる、現場目線のシステムです。また大手企業主体のシステムと異なり、導入施設からの要望があればシンプルなプログラムを予定していますので個別対応も臨機応変に対応が可能です。

 そして施設数では大病院よりも個人開業医の数の方が圧倒的に多い現状、当社の販売予定価格は魅力あるものと考えます。

 小栗が臨床医であることから現場を理解しやすく、様々な施設の要望や問題点を把握してフィードバックを適切に行うことができると考えます。

 

<「かるても」での紙カルテの電子化保管例(試作品)>

  

 

<上記のように、手書きデータも、検査データも全て保存可能です。>

 

<日立メディカルコンピュータの電子カルテ画面例>

紙カルテに比較して、情報項目が多く、使い方に慣れが必要であることがイメージされると思います。>

 

今回の「かるても」は、まずは医療機関での導入を第一目標としています。

 医療機関で導入していただいた場合のメリットを以下にまとめます。

① 既存の紙カルテを電子化、クラウド保管することでカルテ保管スペースを縮小し、開業医のクリニックレベルで診察室一室分程度の空間を新たに活用可能

② 電子カルテの入力や記入にストレスを感じている医師の方は、従来通り紙カルテをそのまま継続してもらうことが可能

③ 例えば紙カルテを使用している医療診療現場で毎日のように繰り返されていることの一つに「カルテ探し」があり、かなりの業務時間のロスとなっていますが、「かるても」を利用することで紙カルテでの診療を継続してもカルテの紛失や、棚への返す番号間違いでストレスを生じることがなくなる

④ カルテの保管、検索が圧倒的に楽になり、遠隔から医師が診療必要となった場合(遠隔診療)でも、IDとパスワードでどこからでも医師が患者データにアクセス可能

⑤ 既存の電子カルテや、カルテ保管システムに比較して約1/10程度の費用での挿入が可能で、医療機関の経済的負担が大きく軽減される

 反対にデメリットとして、

① 既存の紙カルテを電子化してクラウド保管するという手間が発生

② 検索システムは、ワードなどの電子化入力された電子カルテシステムと比較すると操作性が劣る

③ 既存の電子カルテメーカーが、当システムとの連携を許可するかどうか未確定

といった点があげられます。

 開発にあたり、デメリットを可能な限り対処しておくことが必要と考えます。

 

 まだまだ開発途中の「かるても」ですが、本システムにご興味をお持ちいただける施設がございましたら、当院までご一報ください。

もちろん医療以外の分野でも是非活用いただきたいと思いますので、他業種の方でもお気軽にご連絡いただければ幸いです。

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おぐりクリニック (滋賀、長浜イオン西隣)

 

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