専門医コラム

2015/09/10

キシリトールの虫歯予防効果はまぼろしか?

悩む女性

目の病気にとって口腔内、歯の状態が重要である事は、これまでのコラムで理解頂けているかと思います。

⇒ お子様の目、歯が影響する!  デンタルインプラント(人工歯根)と眼疾患

歯の詰め物、アマルガム体内の重金属汚染の原因になっている可能性や、ガルバニック電流を発生してカラダの生体電流に影響を与えている場合、歯の近くの眼球に影響を与えていないと考える事が不自然です。眼球は光刺激を電気信号に網膜で変換します。網膜の視細胞が発生した電流の流れが脳へ伝わる事で物が ”見えた” と認識されるのです。まさに電気回路と言っても良いくらいです!

名古屋院、長浜院ともご希望の方は小栗の診察時にお尋ね頂ければ口腔内の電圧を無料で測定させて頂いております。名古屋院では休日(土曜、日曜)も診療しておりますので、他の眼科でなかなか治らないと言われている様々な眼症状でお困りの方は、休日の名古屋、栄での買い物ついでに是非名古屋院へお立ち寄り下さい。

今回は、歯に良いと言われている天然の甘味料、キシリトールの虫歯予防効果に疑問を呈する医学研究分析結果についてお伝えさせて頂きます。

Effect of natural sweetener Xylitol in preventing tooth decay still unproven. The Cochrane Library Press Releases. 2015 Mar 26.

http://www.wiley.com/WileyCDA/PressRelease/pressReleaseId-117144.html

Riley P et al. Xylitol-containing products for preventing dental caries in children and adults. Cochrane Database Syst Rev. 2015 Mar 26;3:CD010743. [Epub ahead of print]

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/25809586

英国のマンチェスター大学歯学部を含む研究グループが、世界的なプロジェクトであるコクラン共同計画が発行するコクラン・データベース・オブ・システマティック・レビューのオンライン版で2015年3月26日に報告しました。

研究の公平性も分析

キシリトールは砂糖より歯のダメージが少ない天然の甘味料として、ガム、歯磨きペースト、せき(咳)止めキャンディ、お菓子などに広く使用され、虫歯を作る細菌の成長を妨げるとも考えられています。

虫歯になっている患者さんは、世界的には子どもの最大90%、大人でも大部分が虫歯になっています。

研究グループはさまざまなデータベースから、キシリトールを含む製品が虫歯に及ぼす効果を評価した10件の試験結果(参加者合計6000人近く)を解析しました。

結果の偏りを解消するためのバイアス(公平性に欠けること、偏り)リスクも考慮しながら試験結果の有効性を分析しました。例えば、キシリトールの虫歯予防効果を意図的に良く見せたり、悪く見せたりする試験は除外されました。

イメージもろい?

結果として、10件の試験結果のうち結果のバイアスが少ないと見なせたのは1件のみで、2件は結果のバイアスについては不明、残り7件はバイアスが大きいと判断されました。

コスタリカの2件の試験(13歳以下の子ども約4200人が対象)で、キシリトール添加歯磨きペーストは、添加していない歯磨きペーストと比べると、3年間に13%虫歯が少なかったという結果があったのですが、証拠の質としては悪く、この集団に限られた結果の可能性があったとのことです。

他のキシリトール含有製品では、優位性を示す証拠はほとんど、あるいは全くなかったそうです。

キシリトールには膨満感や下痢、下剤作用があるのですが、一部の研究では副作用についての報告がありませんでした。

虫歯に良いというイメージが先行している可能性があります。

キシリトールに頼るより、虫歯になりにくい生活を!

現代生活では、糖質をとり過ぎている傾向があります。また、アレルギー体質の方は唾液の質が落ちている可能性も考えられます。

体質改善で多くの病気は改善します。名古屋、栄の名古屋院には服を着たまま17秒で全身状態を測定出来る全身スキャナーを設置しています(アムサット)。虫歯になりにくくする事は、将来の目の病気予防にとっても大切な事です。

 

ページのトップへ